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結局勉強を諦めたらしい涼介は、俺をソファまで引きずって座らせ、その隣に腰掛けた。
かと思えば、もぞもぞと俺の方に倒れてきて、ぐでっと頭を俺の頭に乗せる。
光「…眠い?」
涼「んぅ………」
光「テレビ、消す?」
涼「んん………みてるの…」
ソファの目の前にあるテレビは、報道番組を移していて。
絶対に見てないけど見てると言い張るから、その頭をさわさわしながら、キャスターの話している内容を聞き流す。
やっぱり、寝れてないんだろうな…
もう少し早く気づいてあげればよかった。
涼「……おはか……」
光「ん?」
ぼそり、と。
もう溶けてしまいそうなくらいへろっとした、力のない声で呟いた涼介。
その声に顔を覗き込んでみると、眠そうにとろんとした目はテレビの液晶画面をうつしているだけ。
もう一度聞き返してみると、今度はその目がゆっくりとこちらに向いて、普段より数倍遅いスピードで瞬きをする。
そして。
涼「………おはか………いく…」
光「……お墓?」
相変わらずゆっくりと、そう言った。
…墓?
墓って、……涼介の母親の…だよな?
もしかして、さっきからずっと考えてた……?
光「……どうして、そう思った?」
ある意味進歩かもしれないけど、無理はさせたくない。
それに、向こうでパニックになることだって大いにありうる。
だから感情を殺して、さらさらした髪をすくう手はとめないまま、出来るだけ優しく涼介にそう聞いた。
涼「……ん……んー………」
光「ゆっくりでいいよ」
涼「…………あいたぃ………お母さんに、あいたいの…」
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楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» ほんっっっとうにありがとうございます!!そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいし励みになります(*´∀`*)これからもよろしくお願い致します! (2022年1月9日 23時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 光空さん» コメント嬉しいです!最初から最後まで本当にありがとうございますm(*_ _)mこれからもよろしくお願いしますー!!ありがとうございました!! (2022年1月9日 23時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 完結おめでとうございます!りずむさんのお話がほんっっっっとうに大好きなので、今作も大好きですし、次回作も楽しみです!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月8日 22時) (レス) @page49 id: 159037070c (このIDを非表示/違反報告)
光空(プロフ) - りずむさん!完結おめでとうございます!最初が六月なんて信じられないぐらい毎月楽しませて頂きました!!わたしも茜さんだっいすきです!!!良かったらまた茜さんの可愛いとこが見れたらなと思います!次作も楽しみにしていました!これからも楽しく読ませて頂きます (2022年1月8日 20時) (レス) @page49 id: dc08ee642a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» いつもありがとうございます〜!!楽しんで頂けたようで何よりですm(*_ _)mこれからも頑張ります!本当にありがとうございました! (2022年1月8日 19時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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