検索窓
今日:10 hit、昨日:62 hit、合計:156,909 hit

ページ45

.


結局勉強を諦めたらしい涼介は、俺をソファまで引きずって座らせ、その隣に腰掛けた。

かと思えば、もぞもぞと俺の方に倒れてきて、ぐでっと頭を俺の頭に乗せる。



光「…眠い?」

涼「んぅ………」

光「テレビ、消す?」

涼「んん………みてるの…」



ソファの目の前にあるテレビは、報道番組を移していて。

絶対に見てないけど見てると言い張るから、その頭をさわさわしながら、キャスターの話している内容を聞き流す。




やっぱり、寝れてないんだろうな…

もう少し早く気づいてあげればよかった。







涼「……おはか……」

光「ん?」




ぼそり、と。


もう溶けてしまいそうなくらいへろっとした、力のない声で呟いた涼介。



その声に顔を覗き込んでみると、眠そうにとろんとした目はテレビの液晶画面をうつしているだけ。


もう一度聞き返してみると、今度はその目がゆっくりとこちらに向いて、普段より数倍遅いスピードで瞬きをする。

そして。





涼「………おはか………いく…」

光「……お墓?」




相変わらずゆっくりと、そう言った。





…墓?

墓って、……涼介の母親の…だよな?

もしかして、さっきからずっと考えてた……?





光「……どうして、そう思った?」




ある意味進歩かもしれないけど、無理はさせたくない。

それに、向こうでパニックになることだって大いにありうる。



だから感情を殺して、さらさらした髪をすくう手はとめないまま、出来るだけ優しく涼介にそう聞いた。






涼「……ん……んー………」

光「ゆっくりでいいよ」











涼「…………あいたぃ………お母さんに、あいたいの…」

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (284 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
959人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» ほんっっっとうにありがとうございます!!そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいし励みになります(*´∀`*)これからもよろしくお願い致します! (2022年1月9日 23時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 光空さん» コメント嬉しいです!最初から最後まで本当にありがとうございますm(*_ _)mこれからもよろしくお願いしますー!!ありがとうございました!! (2022年1月9日 23時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます!りずむさんのお話がほんっっっっとうに大好きなので、今作も大好きですし、次回作も楽しみです!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月8日 22時) (レス) @page49 id: 159037070c (このIDを非表示/違反報告)
光空(プロフ) - りずむさん!完結おめでとうございます!最初が六月なんて信じられないぐらい毎月楽しませて頂きました!!わたしも茜さんだっいすきです!!!良かったらまた茜さんの可愛いとこが見れたらなと思います!次作も楽しみにしていました!これからも楽しく読ませて頂きます (2022年1月8日 20時) (レス) @page49 id: dc08ee642a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» いつもありがとうございます〜!!楽しんで頂けたようで何よりですm(*_ _)mこれからも頑張ります!本当にありがとうございました! (2022年1月8日 19時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2021年11月26日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。