・ ページ25
涼介side
目が覚めるとそこは、明るくて、広くて………床がピカピカな白黒で。
まるで異世界に来たかのような空間に、思わず呆然としてしまった。
確か…………走ってる時に、いきなり後ろから襲われて………
……拉致された、のか……?
「涼介くん!」
……………え?
声がした方に顔を向ければ…………そこには数人の、様々な年代の男女。
…その中に、ひとり。
見覚えのある人物がいた。
涼「ひ、かるくん…………?」
光「………こりゃ驚いた……またこんな状況で会うなんて…」
……前に拉致された時に出会った……光くんだ。
まさか似たような状況で、同じ人とこんな現場で出会うなんて……
「貴方たち、知り合いなの…?」
俺たちの会話を聞いていた他の人達は、俺らをみて怪訝そうな顔をしてたり、不思議そうな顔をしていたり。
メガネのお婆さんに若いサラリーマン、ブランド物の服を着る女性に、幼稚園のスモックを着た男の子、2つ結びの中学生に黄色い帽子の女の子………そして、光くん。
事前に聞かされていた通り、事件の被害者7名。
どうやら目が覚めたのは、俺が最後みたいだ…
光「あ……はい、まぁ………涼介くん、体は?」
涼「あっ、大丈夫です。……実は心臓移植が成功して、拒絶反応と感染症さえ気をつければ、もう…………」
……………あ。
ふと気づいて、口に手を当てた俺。
触れた自分の唇に、思わず眉をひそめた。
マスク、無くなってる………
涼「……クッソ…………」
………こんなことなら、ちゃんと大ちゃんといればよかった………
元気になっても周りに迷惑をかける変わらない自分に、自分で幻滅する。
光「大丈夫?」
涼「……はい、一応」
……………こうなってしまったものは仕方ない。
きっと俺が警察関係者だってことは、光くんしか知らないはず。
なんとか……このバカげた事件を解決させないと。
そう気合を入れた途端………プチッという音と共に、壁に取り付けられたモニターがパっと明るくなった。
579人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました! (2021年11月25日 20時) (レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます!りずむさんの作品全て好きです!新作の更新も頑張ってください!楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね!これからも他の作品で頑張ってください!!! (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます!そのとおりです〜!お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね!!どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ