検索窓
今日:30 hit、昨日:3 hit、合計:136,005 hit

ページ20

涼介side




母「涼介、挨拶」

涼「ありがとうございました!」

「ん、よく頑張ったね。定期検診ちゃんと来るんだよ」



………病院のエントランス。

ここを行き来するのは、コンビニに行く時くらいだと思ってたけど。


俺は……大荷物を持って、先生と看護師さんに礼をしていた。



「このあとって……」

大「あ……はい。裕翔先生のとこ、行ってきます」

「そうですか。よろしく言っといてくださいね」



そんな会話をしてる大ちゃんに、大荷物を持たせて。



大「っあ、おい!」




パタパタと、大ちゃんの車まで走る俺。


……苦しくないし、痛くもない。

これが………これが、健康ってこと。



今までは自分の足が速いのか遅いのかも分からなかったけど。

これはもしかして、結構速いんじゃねぇの?

ずっと走ってなかったからそんな事ありえないのに、走れる体にニヤニヤが止まらない。

今ならなんでも出来る気がする。



大「涼介ーっ!」

涼「ふははっ」


振り向けば、追い付いてこられない大ちゃんとお母さん。


…………こんなの………夢みたいだ。








.








裕「おめでとう、涼介」

涼「へへっ……ありがとうございます」


…………透明な壁の、1枚向こう側。

前よりも少し痩せて、若干髭の伸びた裕翔先生が、ニッコリと笑った。


お母さんは…………来なかった。

担当医と言えど………さすがに、息子にあんな目をあわせた犯人には会いたくないみたいで。



葛藤もあったみたいだけど、面会直前になって帰っちゃったんだ。



裕「ほんとによく頑張った。……ずっと頑張ってたもんね、涼介は」

大「……裕翔先生は、何か変化ありました?」

裕「ん〜……ここにいると、変化も何も無いかな…でも、圭人には変化あったみたいだよ」


そこで聞いたのは、圭人さんが専門学校に向けて勉強し始めた事だった。

特別支援学校の教諭を目指すことにしたらしい。


……そっか…………俺も、将来の夢を考えていいんだ…………


そこでまた、ぽっと胸が熱くなって嬉しくなる。




涼「明日から、捜査に協力することにしたんです」

裕「明日!?…………有岡さん」

大「す、すみません……」



じとっと大ちゃんを見つめる先生に、ペコペコ謝る大ちゃん。



裕「涼介、絶対無理しちゃダメだよ?」

涼「うんっ」


俺はなおも、笑顔が止まらないでいた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (189 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
578人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました! (2021年11月25日 20時) (レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます!りずむさんの作品全て好きです!新作の更新も頑張ってください!楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね!これからも他の作品で頑張ってください!!! (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます!そのとおりです〜!お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね!!どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2020年2月22日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。