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大貴side
涙を流しながら、苦しそうにそう言った涼介。
そんな涼介を……俺は力強く抱きしめた。
涼「だいちゃっ……」
大「っ………」
俺は何も、言葉を発さず。
けどその力に、「大丈夫だよ」という思いを込めて。
涼介が安心出来るように、力強く。
涼「大ちゃん…っ、俺っ…」
大「………」
涼「…死にたくないっ………」
涼介が、目を瞑った。
ヒクヒクと震えながら、俺に、耳をあてて。
…………涼介には、聞こえてるはずだ。
俺がさっき、裕翔先生から言われた言葉を。
裕『……このままだと………涼介の心臓は、成人まで持ちません』
涼「………大ちゃん…」
大「………」
服が、引っ張られる感覚。
ぎゅっと俺の服を握ってるのが分かって、俺も抱きしめ返す。
涼「…………仕事をさせて」
裕「っ涼介…!」
涼「危険だって分かってるけど…!!……こんなことしか、俺には出来ないし…ここにいるのは……………怖い」
………思わず……涼介の体から離れ、顔を見つめた。
涼介の恐怖は、計り知れない。
分かってやれるのは多分…………母さんくらいだろう。
もちろん、できれば安静にして欲しい。
無理はして欲しくない。治療に専念して欲しい。
それとは裏腹に、涼介の望みを叶えてやりたいのも事実。
大「……俺からもお願いします、裕翔先生」
涼「大ちゃん…」
けど、1つ言っておきたいんだ。
大「けどな涼介。……お前には力がある。周りを元気にする力、癒す力、楽しませる力。お前は探偵だけど、それだけしか出来ないわけじゃない」
俺は、涼介のおかげで頑張れるんだ。
裕翔先生も、皆だってきっとそう。
だから……自分は無力だなんて、言わないでくれよ、涼介。
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しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました! (2021年11月25日 20時) (レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます!りずむさんの作品全て好きです!新作の更新も頑張ってください!楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね!これからも他の作品で頑張ってください!!! (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます!そのとおりです〜!お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね!!どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)
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