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突然 ページ3

裕翔side



圭「………そうだね!」

侑「なんか………ちょっとだけスッキリした気がする!」

裕「ははっ、そりゃよかった」


後ろを振り返ったふたりは………侑李の言うとおり、少しスッキリしたような清々しい顔。

もしかして、ずっと悩んでたのかなぁ……もっと早く気づいてあげればよかったな。


裕「良かった、元気になったみたいで。……涼介?」

涼「え?…………あぁ、うん。そうだね」


………あれ?


ルンルンしながら道を歩いていくふたりとは反対に……今度は、涼介の様子がおかしいような…?

裕「なんかあった……?」

涼「………なんでもないよ」

そういうくせに、明らかにいつもとは違う涼介。


……どうしたんだろ………


裕「涼介?」

涼「っ…………」

裕「えっ………………どうしたどうした……」


もう一度声をかければ……ポロっと、涼介は突然涙をこぼして。

涼介が泣くなんて、かなり珍しいから……どうすればいいか分からなくて、とりあえず背中をさすった。

いきなり、どうしたんだろ……なにか思い出しちゃったとか……?



涼「…っ……………施設にいて…」

裕「ん?」

ポツリと、小さく涼介が呟く。


涼「施設にいて…悪いことなんてないって、裕翔、言ってた………………」

裕「………うん、そうだよ?」


それは本心だし、真実。
それなのに……涼介は、涙をぬぐいながらふるふる首を横に振って。

涼「違うの………俺は、違くて………」

裕「涼介?」

涼「俺は………っ…………」




侑「ふたりともどうしたのーっ??」

圭「はやくー!!」



………前方から、聞こえてきた声。
いつの間にかふたりは、かなり前に進んでいて。

涼介は、ハッとしたように涙を拭きながら、声をあげた。


涼「ちょっと待ってー!…………ごめん裕翔…今の忘れて」

裕「涼介………」

涼「早くいこ、ふたりが待ってるよ」


…俺を見た涼介は……目は少し赤いけど、既にいつも通りの涼介で。

俺に向かって笑ったあとに、走ってふたりのもとに行ってしまった。


…………なんだったんだよ、さっきの……

涼介は、何を抱えてるの……?

俺は違うって、どういうこと………?


涼「裕翔ー?」

圭「遅刻しちゃうよっ!」



結局涼介は、何も話してくれる様子もなく………疑問が残っただけになってしまった。

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楠木りずむ(プロフ) - 柑橘類。さん» 嬉しいです……!!こちらこそ読んでいただき、コメントまで感謝です!ありがとうございました!m(_ _)m (2019年11月10日 9時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘類。 - 初コメ失礼します。今更ながらではありますが、完結おめでとうございます!輝希の皆の温かさや、幼い山田くんの苦悩と決意に泣かされました…どの小説よりも大好きな作品です。書いてくださりありがとうございました! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 8dd377e6cf (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» こちらこそ読んでいただき感謝しかないです!ありがとうございます!!! (2019年11月8日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 眼鏡っ子さん» ありがとうございます♪実は掛け持ちをしておりますので、ぜひそちらも覗いてくださいな…(しれっと)ありがとうございました! (2019年11月8日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - かのさん» 嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年11月8日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2019年10月6日 13時

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