養護施設 “輝希”

ペコペコ ページ33

宏太side



リビングのソファに裕翔を座らせれば……やはり疲れたのか、段々うとうとしだして。

やがて俺の肩で、すぅすぅと寝息をたて始めた。

1回義足も外しちゃうか……


…………あれ、そういえば。


宏「大ちゃんは？」


侑李が寝てたなら、大ちゃんももう帰ってるはず。

そう思って、キッチンで格闘してる雄也に尋ねれば……すぐに部屋に戻ってしまったんだとか。

……まぁ、ひとりで侑李を連れて帰ってきたんだし………


宏「寝てんのかな」

雄「んー、どうだろ……ちょっと元気なかったんだよね」


……珍しい、な。
疲れただけなのかな…………あとで話を聞いてみよう。


雄「飯作ったけど、今誰も食えないよねー……」

宏「あとで温め直したら？……今日は随分バタバタだったな…」






光「ただいまー」


宏「……ん…………ぁ、ひかる…」


……いつの間にか寝てしまっていたようで…光の声で目が覚めた。

光「…え、なにがあったの……」

俺のとなりで眠る裕翔、床で寝てた雄也、そして和室で眠っている圭人と侑李、さらに未だ発作が治まらない涼介を、看病している伊野尾。

この状況に、疑問を抱かないわけもなく……光は静かに、そう言った。


……お前がいない間に、色々あったんだよ………



なんだかんだあったおかげで、昼飯は食べ損ねてしまった俺らは…もうお腹ペコペコ。

結局光が、温めたご飯を夕飯にして食卓に並べて。

涼介と伊野尾以外の皆で、いただきますをして食べ始めた。


圭「あ、これ美味しい〜」

侑「僕にもちょーだい！」

裕「あ、はいはい俺のあげるから…！」


……目が覚めた皆は、結構けろっとしてて……美味しそうに飯を食う姿に、俺たちもひと安心。



…………ただひとつ、気になるのは。

大「おっ、ほんとだ！うめぇー！」


いつもと同じように見える大ちゃんの……少しだけ赤い、目だ。

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