養護施設 “輝希”

楽しかった ページ28

大貴side



裕翔と涼介も……半ば無理矢理だけど、仲直りできたみたい。

ここの施設の子は、いろんなことに対してデリケートだから………励まそうと軽くかけた言葉が、心の傷になってしまうこともしばしば。

だからこそ、発言には気を付けなきゃいけない。

まぁ、今回は子供同士だし、しょうがないんだけどね………



入れ替わりで薮くんがお風呂に入って、そのあとは皆でようやくバイキング。

……もちろん俺はオムライス。まちがいない。


圭「ちぃちゃんっ、ギョーザあったよ！」

侑「ほんとだ！ありがとう圭人っ！…お礼にバナナあげるね♪」

圭「あ、りがとう………？」


裕「涼介」

涼「ん？……あ！いちご！ありがとう！」


子供たちも、楽しんでるようで…良かった良かった。


大「…え、伊野ちゃんそんなご飯食えんの？」

慧「よゆーだわなめんな」

雄「なめてるというより心配」

慧「うるさい」


宏「………光の飯の方がうめぇな」

光「んなわけねぇだろやめろ……」


楽しんでるのは、俺らももちろん一緒で。

途中、圭人がお茶をこぼしたり、侑李が他の客相手にキレそうになったりと……色々ハプニングはあったものの、楽しい夕食に。

皆も……すごく、幸せそうな顔だった。



部屋に戻れば、子供たちは疲れたのかあっという間に眠りについて。

俺らはもう少しだけ、と…冷えていたビールで静かに乾杯。

宏「うめぇ〜…」

雄「しみるなぁ…」

ぷはーっと皆で息をつく姿をみて……じじぃになったなぁ、なんて。


光「今日来れてよかったね…皆楽しそうだったよ」

慧「そうだねぇ」

雄「まぁ、色々あったけどなぁ」

大「終わり良ければ全て良しだろ！」

宏「明日もあるけどな」


くいっとビールを喉に流しながら、寝ている皆の顔を見る。

………口開けて、幸せそうに寝ちゃって……

自然と、俺も頬が緩んだ。


…やがて俺らもお開きになり、就寝。

翌日は高木の運転で、サービスエリアに寄ってこれまたどんちゃん騒ぎで。

かなり疲れたけど……とても思い出に残るものになった。


またいこうね、皆………！

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