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そのまま ページ19

慧side



侑「おいっ!!逃げんなよ!!おい…!!」


侑の怒号から、逃げるように和室に飛び込む。

………けど、構わず侑は飛びかかろうとしてきて。


俺が驚いたのは……………そんな侑を、軽々と避けて和室に入った涼介だった。


あんな身のこなし……出来たのかよ……?




………リビングに響いていた、侑の声がふと聞こえなくなる。

どうやら、侑李に戻ったみたい……


慧「涼介……」

涼「……」


体育座りをした涼介は、しばらく無言で。

だけど…………ようやく、口を開いた。



涼「……………ごめんなさい…………なんか、変だったよね、俺」

慧「……嫌なこと思い出しちゃった?」


………いつもの調子にもどったらしい、涼介。

出来るだけ優しく聞けば、こくんと頷いて。

そんな、少し弱々しい涼介を…俺はぎゅうっと抱き締めた。



『………親と思えるだけ…いいんじゃない?』



涼介は、侑にそう言った。

つまり涼介は………親のことを、親だなんて思いたくないってことだ。


……涼介の両親が、どういう人かは分からない。

涼介は警察で保護されて、その後輝希にやってきたけど……親は消息不明で。

連絡もつかなければ、警察で調べた住宅ももぬけの殻だったから。


涼介も………頑なに話そうとしなかったし。


だから、会ったことはないけど……涼介がここまで言う人だから、良い人ではないのは確かだ。


きっと辛い思いをしたであろう涼介を安心させるように……俺は優しく抱き締め続けた。




涼「……もう平気だよ…?ありがとう」


そういって笑う涼介は、確かにいつもの涼介で。


慧「うん………もし今後、不安に思ったり、怖くなったりしたら……ちゃんと言うんだよ?」

涼「うん」



………本当は………過去のことを、出来るだけ話してほしい。

俺たちは絶対に涼介から離れないし、離れようなんて思わないし…絶対に守るから。


だけど……………

それを激しく拒む涼介に、俺も催促はできなくて。



そのまま…また、いつも通りの生活に戻っていった。

旅行→←変



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かの(プロフ) - 楠木りずむさん» ほんと、そうですよね〜 (2019年10月5日 18時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - かのさん» 不謹慎だけど!申し訳ないけど!やっぱり病系っていいですよね!!笑 (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - はるさん» 仲間がいて嬉しいです(*´∀`)倒れ方プロですよね(は)本当に上手すぎますよね!! (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 私も、不謹慎ながら病系が好きです!(結構重めの) (2019年10月3日 19時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 私も不謹慎ですが病系好きです。セミオが倒れるときあーセミオー!って感じでした。山田さんの顔の表現力尊敬します (2019年10月3日 18時) (レス) id: 6c02acd669 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2019年8月26日 17時

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