侑李 ページ12
慧side
侑「………あのね……？ぼくは…………特殊なんだ」
圭「…特、殊…………？」
つぎに口を開いたのは、侑李。
しんとした静かな空間で、ふぅ……と侑李が息を吐いた。
侑「………………二重人格」
圭「………に、じゅ……？」
侑「…ぼくのなかに………ぼく以外の人がいてね。その人が、たまに勝手に出てきちゃうの」
………あまり、意味が分かっていない様子の圭人くん。
10歳の子に、突然こんな話は確かに難しかったかな……
そう思って、助け船を出す。
慧「今の侑李のなかに、別の“侑”って人がいるの。侑は、姿こそ侑李と同じだけど、侑李よりも乱暴で、少し喧嘩っぱやい」
侑「知らないうちに、ぼくは侑になっちゃうの。その間の記憶もなくて………気付いたら部屋に傷が増えてたり、伊野ちゃんに、怪我をさせちゃったりして」
侑李の親は…………それが手に追えなくて、輝希に預けていった。侑李が4歳のときだ。
“そんな子、もう育てられない。いらない”って、侑李を睨み付けて帰っていって。
侑李自身には記憶がないんだから…………相当辛かったろうな…………
侑「ここでも捨てられちゃうかもって思った。だって、記憶がなくたって、ぼくが怪我をさせてるのはほんとのことだったし………………だけど、だけどね。全然そんなことなかったよ。ここの人たちは、すっごくやさしくて、あったかくて、助けてくれるよ」
ね、伊野ちゃん？
そう微笑んでいった侑李は………いつもより、大人に見えて。
そんな侑李の頭を撫でながら、俺も笑って頷いた。
だからね、圭人くん。
慧「圭人くんの周りには……圭人くんの辛さを分かってくれる家族がいる。迷惑だなんて思わないよ」
圭「家族…………」
慧「そう。……だから、頼ってほしい。俺らに、圭人くんを助けさせてほしいんだ」
圭「………いいの…………？」
慧「もちろん。…………家族って、そういうもんだよ？………おいで」
圭人くんに向かって、両手を広げる。
少し戸惑ったように、俺を見つめた圭人くんは…………やがて、ゆっくり近づいて、俺の腕におさまった。
控えめに、圭人くんの手が背中に回ってくる。
慧「……昨日は、怖かったね…？もう大丈夫だからね」
圭「………………………うん」
ぽんぽんと背中を叩けば………段々と、圭人くんの体の力が抜けていくのがわかった。
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かの(プロフ) - 楠木りずむさん» ほんと、そうですよね〜 (2019年10月5日 18時) (
レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - かのさん» 不謹慎だけど！申し訳ないけど！やっぱり病系っていいですよね！！笑 (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - はるさん» 仲間がいて嬉しいです(*´∀｀)倒れ方プロですよね(は)本当に上手すぎますよね！！ (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 私も、不謹慎ながら病系が好きです！（結構重めの） (2019年10月3日 19時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 私も不謹慎ですが病系好きです。セミオが倒れるときあーセミオー！って感じでした。山田さんの顔の表現力尊敬します (2019年10月3日 18時) (レス) id: 6c02acd669 (このIDを非表示/違反報告)
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