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裕翔 ページ11

慧side



慧「圭人くん……今まで辛い思いをしてきたのは、圭人くんひとりだけじゃない。このふたりだって、涼介だって嫌な思い出がある。それでも、こんなに元気でしょう?」

……圭人くんは、小さく頷いた。
眉を下げる圭人くんに……ふたりは、優しく笑っていて。

慧「それはね、圭人くん。皆で支えあったから………今も、支えあってるからだよ。ひとりじゃどうにもできないことも、ここにいたから助け合えた」


裕翔だって……義足で辛い思いをしてきて。
侑李も、知らぬ間に人格が出てきちゃったりして。

それでも…………俺らは、大切な家族だから助け合えたんだ。



裕「………俺はね……生まれつき、右足がないんだ」

圭「え………」

裕「あ、そういえば……見せてなかったね、これ」


裕翔はそういって、長ズボンをまくりあげた。

………露になる、プラスチックの足。

その足に……圭人くんは、少しだけ目を見開く。


裕「なんでかね、足がない状態で生まれてきちゃって………これは義足なの。……………そんな足がない俺をね。母さんは捨てちゃった」

圭「……っ………」

裕「17歳だったんだってさ、母さん。育てきれなくて捨てちゃったの。それから1度も顔を見せに来なくて。……………今は、32歳か……もう俺のこと、忘れてるんだろうなぁ……」

慧「裕翔…………」

少し辛そうに、無理して笑う裕翔。

裕翔の背中に手を回せば、俺を見てまた少し笑って。


裕「でもね、寂しさはないよ。……俺には家族がいるから」

圭「…………」

裕「昔……足のことや親がいないことで、いじめられて。一時期、不登校みたいになっちゃって……もう何もかも嫌になったことがあるの。そりゃあもう……何も悪くない皆に八つ当たりして………それでも、皆受け入れてくれたんだ。侑李も、そのときはまだ小さかったけど………大丈夫って、気にかけてくれて」



なんで俺には親がいないの?
なんで俺には足がないの?

どうして俺は……普通じゃないの?


泣きながら、そう訴えかけてきた裕翔を思い出す。


裕「俺ね…………輝希の皆がいなかったら、今ごろ死んでたかもしれない。生きること、諦めてたかもしれない」


だから、感謝してるんだ。


そういって笑った裕翔に…………耐えきれなくて、俺は涙をこぼした。

たくさん辛い思いをしたはずなのに………そんな風にいってくれることが、嬉しくて。

慌てて、目尻にたまった涙を拭った。

侑李→←許可



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かの(プロフ) - 楠木りずむさん» ほんと、そうですよね〜 (2019年10月5日 18時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - かのさん» 不謹慎だけど!申し訳ないけど!やっぱり病系っていいですよね!!笑 (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - はるさん» 仲間がいて嬉しいです(*´∀`)倒れ方プロですよね(は)本当に上手すぎますよね!! (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 私も、不謹慎ながら病系が好きです!(結構重めの) (2019年10月3日 19時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 私も不謹慎ですが病系好きです。セミオが倒れるときあーセミオー!って感じでした。山田さんの顔の表現力尊敬します (2019年10月3日 18時) (レス) id: 6c02acd669 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2019年8月26日 17時

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