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「Aさん？」
呼びかけるが反応がない
寝てる？
いや、もしかしたら気を失っているのかも！
「Aさん！、Aさん！」
何度か呼びかけるが反応がない
怖くなってもう一度強く呼びかける
「Aさん！」
その瞬間、起きたのか驚き顔を上げた彼女
きょとんとした顔からすぐにヤバイという表情に変わる
「す、すみません！」
そう言って勢いよく立ち上がったがすぐに座る
めまいでも起こしたのだろう
「え、あ……」
パニックになる彼女を落ち着かせようと思ったが何も浮かばず、とりあえず両肩に手を置き立ち上がらないようにした
「落ち着いてください。俺です」
「あ、はい…くるまさん」
俺の名前を呼ぶってことはちゃんと意識があって、寝ていただけだったのかと安堵した
「熱上がったんですね」
「会議は…」
「終わりましたよ」
こんな時にも仕事かよ…
少しイライラする
「何立ち上がろうとしてるの」
「え…仕事…」
「ダメでしょ。とりあえず座ってて」
ヤバイ、強く言いすぎたかもしれない
自分でも今の声が冷たいことがわかった
「え、Aさん？」
「…ふ、っ」
下を向く彼女
その手にポタポタと涙が落ちるのが見えて焦った
「ご、めんなさ…」
「どした？」
できる限り優しい声で話しかける
彼女を安心させるために
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないです…」
「ん？しんどい？何かしてほしいことある？」
「理由が知りたいです」
「理由？」
理由？？？
頭の中で色々と瞬時に考えてみるが何も思い浮かばない
「ど、して私がきらい、なんですか」
「え、は？！」
「いつもにら、んでくる…」
俺か！
俺が泣かせてるのか
「違うよ。嫌いじゃない」
嫌いなわけない
それだけは絶対ない
「嫌ってるわけねーじゃん。嫌ってたらこんな風に来ないよ」
彼女の涙を拭う
彼女の涙なんか見たくなくて
泣かせたのは俺なのに
「朝あったら顔色悪いし、様子見にきたらぐったりしてるし…もうめちゃくちゃ焦った」
本当に焦った
暑くもないのに変な汗かいたし
「くるまさん？」
「今日はもう帰りな。俺が話してくるからここで待ってて」
とりあえず弁明より彼女の体調だ、と思いタオルと渡し部屋に戻るために立ち上がり歩を進める
忘れないように動くなよ、と言い残して
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作者名：Az | 作成日時：2025年1月9日 12時
