オシロイバナ

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「おはようございます！」

「おはよ〜」

「…っす」



今日も担当している芸人さんの反応はちぐはぐ
ニコニコと目を合わせてくれる方と目も合わせずに携帯をポチポチする方



「今日のスケジュール確認をしますね」



座る2人に少し近付き、今日のスケジュールを確認していく
聞いているのか聞いていないのか分からないこの2人は少しずつ知名度を上げてきている令和ロマンさん
私はその担当マネージャーだ



「……で終わりです」

「じゃあ20時ぐらいに帰れるってこと？」

「そうですね！押しても1時間ぐらいかと」

「了解」

「では、よろしくお願いします」



担当して1年
私が初めて担当した芸人なので当初は先輩マネージャーにつきながらめちゃくちゃ失敗した
今は1人になったが、相変わらずミスをしてしまう

ケムリさんは結構フレンドリーに絡んでくれて、Aちゃんと呼んでもらえるが、よくミスをしてしまう私をよく思っていないであろうくるまさんはいつも厳しい目線を送ってくる

……当たり前か



「失礼します」



向かい合わせに座る2人
こういうときどこに座るのかが正解か分からず少し戸惑う
でもなんとなくケムリさん側に座ってしまう

すぐさまパソコンを開きキーボードを叩く



「今日も忙しそうだね」

「令和ロマンさんよりは全然……」



今は見取り図さんのマネージャーも兼任する予定で、
少しずつ今のマネージャーから教えて貰っている状態



「明日は予選以外になんか予定あったっけ？」

「朝にYouTubeの会議があります。本社の部屋を抑えてるのでその後はネタ合わせに使ってください」

「お、ありがとう」



明日は大事なM1の準々決勝

今年は絶対いけると信じて止まない私
だって面白いんだもん



「少し外しますね」



携帯が震えたのを確認し、部屋から出る
先輩からの連絡だった









「はい」

「A？今大丈夫？」

「はい、大丈夫です」



スケジュール確認みたいで廊下だったが端っこに移動し、少ししゃがんでパソコンを開く
なんだか少し寒気がしてぶるっと震えた



「……なんだけどいける？」

「はい、いけます！」

「じゃあ任せた。よろしく」

「はい！お疲れ様です！」



電話を切ってパソコンを閉じる
立ち上がろうとして少し世界が揺れた気がした



「……立ちくらみ？」



このクソ忙しい時に風邪なんかひいてられない
家に薬あったかな……



「Aさん」



声がした方に振り向くと険しい顔したくるまさんがいた

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