【祝完結】そして彼に惹かれていった【再始動番外編】

惹かれた＿15 ページ15

まずは卓球

１つの球をラケットでたくさんのルールのもと打ち合う


「兄さん、行きますよ」


ラケットと球を片手づつに持った俺は羽織っていた上着を脱いで腰に巻いていた

下に置くのは単純に邪魔かなと思ってね


「おう、来い」


胸元までチャックを閉めた兄さんは、腰を落として笑みを浮かべながら構えている

ふわっと上に球を投げ、それをラケットで弾く

こちらに1回、あちらに2回バウンドした球

俺と兄さんのラリーでコンコンと特有の音を立てている

ラリーを制したのは兄さん


「スポーツマンめ」

「そりゃどーも」


次の競技の場所に移る

廊下を歩いていると、バレーボールを発見

というか飛んできている

並んで歩いてるんだけど、兄さんはこちらを向いて俺と話してるから、兄さんの奥から飛んでくるボールに気づかない


「卓球…って、うわっ」


話の途中で申し訳ないが、兄さんの腕を引っ張り、後ろへ

それとほぼ同時にバンッと音を立てて跳ね上がったバレーボール


「ゼルっ⁈」


状況を把握しきれていないであろう兄さんがこちらを振り返る

結構な音を出したから自分でも驚いた


「大丈夫ですか⁈」


焦ったような声がいくつも飛んできた

走ってこちらにきているのが…って全員だ

俺が怪我がないことを確認したあと、バレるな、なんて面白がってる兄さんを見て、ブレないなと思った

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