そして彼に惹かれていった

惹かれる＿35 ページ36

緊急事態だ

カフェ巡りは始まったばっかりだ

上の２つのボタンを開けた白いシャツに黒のパンツ、ぶかめの黒いカーディガン

白のスニーカーを履き、茶色いミニリュックを背負い、黒縁メガネ、深緑のベレー帽をかぶっていた

変装をするのが苦手…というより、マスクが苦手な俺は、メガネと帽子に頼っていた

その2つを重視した、それなりにおしゃれに気を使った服で買い物などを楽しむ

それがいつもの俺なのだ

今日もいつもの服装で、バレないように頑張った

なのに何故だ

何故今カフェを出たところで渋滞に巻き込まれているのだ

話を聞くと、食べている姿も綺麗で見とれていて、お店の外から食べ終わるまでずっと待っていたのだそう

綺麗ってなんだよまたそれかい

なんていうつっこみをはめたかったのだが、今は抑えておこう

このままではお店の人に迷惑をかけてしまう

せっかくの休日に迷惑をかけるとか俺自身が嫌になることはしたくない

休日が嫌いになってしまう

みんなに応えるのは前提として、そのあとだ

ここを乗り越えたとしても次も付いてきてしまってバレたらまた増やしてしまう可能性がある

こうなったらお願いだ


「ここ、お店の邪魔になっちゃうね。ねぇ、あっち行こうよ。このカフェおすすめだよ。俺はね、ショートケーキとはちみつ入りホットミルクが好きなんだ。是非食べてね。今カフェ巡りしてるんだ。次のカフェ楽しみだなぁ。お店の邪魔になっちゃうといけないから、付いてきちゃダメだよ？ツイッターは明日載せてね。俺との約束」


そう言って広場の方へ歩く

黄色い歓声が上がった理由はわかんないけど、うまくまとめられそうだ

こんな大群引き連れて何してんだろうとは思うよ

でも応援してくれてるみんなにちゃんと応えなければと思ってる

ヒョンは早く済ませろよ、と行って近くのお店に行った

じゃあ、やろうか

惹かれる＿36→←惹かれる＿34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す