そして彼に惹かれていった

惹かれる＿25 ページ26

ライブ会場のトイレで犯人を発見した

マネージャーヒョンからそれを知らされた時、やっぱりあの中にいたのだと思った


「お疲れ様」


抱きしめられて分かった

俺、震えてる

マネージャーヒョンの胸にあてた手が、とても震えていることがわかる


「怖かったな」

「うん」

「辛かっただろ」

「うん」

「ほんとは泣きたかった」

「うん」


質問になってないし

それ確定してるし

そんな文句はどこへやら

やはりマネージャーヒョンには敵わない


「誰かに抱きしめて欲しかった」

「うん」

「安心したかったもんな」

「うん」


同じ言葉を返していく

だから、よけいにだんだん声が震えてきているのがわかる


「大丈夫だから」

「うん」

「今、俺とお前以外誰もいないから」

「うん」


泣け

隠された言葉の通り、涙があふれる


「頑張ったな」

「…うん」


俺の1番好きな言葉

頑張ったなって言葉が僕にかかる

それだけでもう耐えられなかった

涙がこぼれた

ひとつふたつと筋を作っていくそれは、止まることを知らない

今は、泣け

泣きたいほど泣け

お前がお前で居られるのであれば

かつてマネージャーヒョンが言ってくれた言葉が蘇る


「ありがと、シュジャヒョン」


涙ながらのその言葉を聞いたマネージャーヒョンことシュジャヒョンは、静かに抱きしめる力を強くした

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