任務達成 ページ16
ショッピさん、チーノと共に総統室へ報告へ行く。何も変わらないグルッペンさんの姿にああ、帰ってきたんだなと実感した。
「ショッピ小隊只今戻りました。」
「ご苦労だった。それにしてもお前らボロボロだな。休暇は与えるからまずはゆっくり休め」
主に総統は私とショッピさんへ視線を向ける。こうして簡単な報告を終え、私達の初任務は無事に終了した。
医務室へショッピさんと二人揃って向かうと、しんぺい神さんはひどく驚いた顔をした後に「治療より報告を優先するって二人ともお尻を掘られる覚悟はできた?」と曇りのない笑顔を浮かべた。何のことか理解はできないがとてつもなく恐怖を感じさせる一言に私もショッピさんも平謝りだ。即オペが行われ今や絶対安静と言われている。目の前にはしんぺい神さんが監視しているので抜け出すことは不可能。そんな私達の面会に一番に来たのはコネシマさんだった。
「二人ともシケた面しとるなあ!」
「うるさいっすよ」
「ショッピくんも相手は能力者とは言え、こんな怪我するとは腕が落ちたんとちゃうか?」
「…ショッピさんは十分強かったですよ!」
「Aも弱いのに怪我するんは、ただの足手まといなだけやで。」
嘘偽りのないコネシマさんの言葉に胸が抉られる。
「Aが怪我したんは隊長の俺の責任っす。自分でも相手を舐めてる節はありました。すみません。」
「そんな、これは私のせいです!私が弱いばっかりに…」
「二人とも反省はしとるんやな」
アッハッハと豪快に笑うコネシマさんはいつも通りだ。
「コネシマさん。」
笑い声を遮るようにショッピさんが言う。
「俺、異能覚醒しました」
「そうか」
「はい。」
「良かったな」
コネシマさんは全てを悟ったように柔らかく笑う。いつも豪快に笑うイメージがあったため、彼の素の笑いに一瞬息を飲む。
「これも全部Aのおかげっす」
「なら俺からも礼を言わんとな。」
コネシマさんの空色の瞳と目が合うと、そのままありがとうと言われる。私は首を振って「逆です。ショッピさんのおかげで私は今、生きてます」と伝えた。
「……ショッピ。いい後輩を持ったな」
「はい。」
そしてコネシマさんは私の頭を一度ポンっと触れると医務室を後にした。狂犬チワワと言われている彼とは思えない優しさに私の胸が高鳴るのは無理はない。
「A。ほんまにありがとな」
「こちらこそ。ありがとうございました」
ショッピさんもまた満足気に笑っていた。
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鳩山(プロフ) - えみさん» コメントありがとうございます。懸命に生きる2人と彼らの話を素敵と言っていただき本当に光栄です…!最後までご愛読ありがとうございました! (2021年2月20日 16時) (レス) id: 9ca89ee33d (このIDを非表示/違反報告)
えみ - rbr推しですがshaちゃんとくっついて欲しいと思ってしまう程の作者様の文才に引き込まれました…!とても素敵な話でした! (2021年2月19日 17時) (レス) id: 1597543406 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ブンブンさん» ブンブンさん!以前もコメントして下さいましたよね?本当ありがとうございます…!良かったら番外編でもよろしくお願いします…!最高に嬉しい言葉を本当にありがとうございました! (2019年11月11日 0時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 完結おめでとうございます!貴方の作品に出会えて本当に良かったです! (2019年11月10日 23時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - kogarashi343gooさん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいお言葉ばかりで私からも感謝させてください!すごく励みになります…!今後は番外編然り、別作品然り、更新頑張っていくつもりですので今後ともよろしくお願い致します! (2019年11月10日 22時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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