【d!】君の顔も見たくない【軍パロ】

謝罪はいらない ページ7

シャオロンと少し話をして食事をして、「また明日」と別れて眠りについた。そんな夜に、館内放送が鳴り響く。幸せな夜が一瞬で崩れ去る。ここまで夢と同じ展開はあるのだろうか。私は事前に用意しておいたジャケットを羽織り会議室へ走り出す。

訓練よりも短い距離なのに廊下がやたらと長くて、動悸がする。冷や汗が止まらず今にも吐いてしまいそうだ。

会議室の扉を開くと難しい顔をしたロボロの姿があった。彼は私の姿を確認すると苦虫を噛み潰したかのような顔を浮かべた。この顔は、まさか…。

「A、今から言うことを落ち着いて聞いてくれるか？」

焦ったロボロが私の肩に手を乗せて真面目な顔で言う。私は「どうしたの？」と震える声で返事をした。
ロボロのピンクの瞳は揺れていて…。そして…

「シャオロンが、死んだ」

──また、だ。
全く同じことをロボロは私の夢の通りにやっていく。
無言の私を見たロボロは顔を歪めて、謝罪の言葉を並べる。

「本当にすまん…っ……」
「ど、どうして……あれは、夢じゃなかったの…？」
「…A？」
「だって、全部夢でしょう！！なんで？…やっと、やっと想いが通じたのに…っ！どうしてなの…！！」
「…A！」
「ロボロ、今すぐ訂正して！その冗談は笑えないから！！」
「A！！！」

ロボロのよく通る声が、室内に響き渡った。それと同時に頰に痛みが走る。頰に残る熱とこの痛みを私はよく知っていた。

「あっ、すまん…急に打ってもうて…」
「ロボロ……痛いよ…ねぇ、何で痛いの…？嘘よ…嘘って言って…」
「っ…」

私はロボロの肩を持って泣き崩れた。それを支えるロボロの手もまた震えていて…今度こそ夢ではないと嫌というほどに突きつけられる。

「俺が監視してたのに…間に合わんかったんや…すまん…。あいつは最期…、部下を庇って自分だけで……被害を最小限に抑えた……立派やった」
「……敵襲、だったの？」
「…おん。うちの訓練場に爆弾が仕掛けられとったんや…それに気付いたあいつは一人で解体しよった…でも無理やと気付いて、…そんで…」
「…みんなを避難させたんだよね？」

仲間思いの彼のことだ。きっと自分が死ぬことも顧みず…みんなを守ることを選んだのだ。

「わたしを、置いていくなよ…バカやろう…」

私の呟きはロボロに聞こえていたようで、ロボロは私を強く抱きしめてひたすら「ごめん」と謝った。

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