例え、 ページ40
二人して寄り添うように朝日が登るのを見守る。
もう、私を世界から戻そうとする穴はなくなっていて。
私は彼の肩に寄り掛かったまま陽の光を浴びていた。
「なあ、A。後悔はしてないん?」
「するわけないよ」
「ほんまに?」
「うん、ほんとに」
私は心配そうに眉を下げたシャオロンの手を繋ぐ。繋いだ手を自分の頰につけ、擦り寄るように温度を感じる。
「例え私がこの世界に認められなくなっても、
異能がなくなってしまったとしても、
私のこの気持ちは変わらない。
私はいつだって、あなたが好き。
…好きで、好きで、たまらないの」
私の長い髪の毛と、着ていたスカートが風に揺られて、シャオロンに当たる。シャオロンは目を細めて、空いた手で私の髪の毛を耳に掛ける。
「オレもな、誓うで。
お前のその瞳にオレが映らんくなったとしても、
お前が違う世界に戻ってしまう時がきたとしても、
オレも永遠にAを愛するわ。
オレはな、A以外に考えられんのや。
一生をかけてお前だけを愛するって、誓うで」
これから世界の違う私たちに訪れる未来は明るいものだけではないかもしれない。
もしかすると、私は自分の世界に戻りシャオロンと永遠に会えないかもしれない。
だけど、今は。
今だけは。
愛に溺れて、懸命に、
この世界で生きていいのではないか、と。
.
私の大好きな世界で、
私の大好きな人の隣で、
生きていたいと、そう思うのだ。
.
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🍞 - ご、語彙力が爆発してる、、すごすぎんか? (9月24日 22時) (レス) @page42 id: 42c1ea8f94 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんいつもありがとうございます…!番外編まで読んでくださって感謝しかありません…!また他作品は更新していくつもりですので今後ともよろしくお願いします! (2020年3月14日 20時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます!本編のほうも、番外編のほうも、鳩山さんの素晴らしい文章に引き込まれ、読んでいて幸せな気分になれました。これからも鳩山さんの作品を読み続けさせてください…! (2020年3月14日 13時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - メオさん» コメントありがとうございます!告白までしていただいて嬉しいです!これからものんびり更新だと思いますがよろしくお願いします…! (2019年11月12日 19時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
メオ - うん、好きだ(確信)ありがとう(嬉し泣き)頑張ってくださいね!! (2019年11月12日 14時) (レス) id: 8aa2d098f2 (このIDを非表示/違反報告)
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