私の手は綺麗なまま（kn） ページ30
(kn落ち)
「ふーん、美味しい！」
敵兵を投げ捨てて返り血に濡れたコネシマさん。私はそんな彼と一定の距離を保ちながら拳銃を構えている。
「おい！もっと根性あるやつはおらんのか！？」
戦場だと言うのに全く緊張感のない男。シャオロンとはまた違った犬のような人物に私はついて行くのに必死だ。
「…コネシマさん、そろそろ時間ですよ」
彼は私の声は聞こえているようで足を止める。
「もうそんな時間なんか？」
狼姿の彼が飼い犬と変わらないように耳と尻尾を下げた。持っていた拳銃を下ろした私は彼の血に濡れた毛をハンカチで拭っていく。
「帰ったらシャワー入るからいいわ」
「でも毛並み悪くなっちゃいます」
「別にええわ」
「あ、じゃあシャワー上がったら私に毛繕いさせてください！い、痛くはしませんから！」
「…ほんまにお前はもふもふが好きやな…」
「ええ。だって気持ちがいいんですもん！」
今だって、狼のコネシマさんに抱きつく。生臭いのはあまり得意ではないがそれよりもなによりも彼の美しい毛並みとフォルムに惹かれて堪らないのだ。
「…はぁ」
彼は小さく息をついて人の姿に戻ってしまった。
「あぁ…何で戻っちゃうんですか…」
「こっちの方が出来ることもあんねんで」
彼は私からハンカチを奪い取って顔にこびりついた血を拭っていく。言ってることとやってることが違うな、と思いながらも彼の後を追う。
「……血生臭い現場には慣れたんか？」
「…慣れたか、と言えば慣れませんよ」
「じゃあ俺が怖いか？」
「…いいえ。そんなことはありません」
私も一兵士となったのだ。異能を使って他人の命を刈り取ることには慣れていかなければならない。
「…ハッ。そんな震えながら言われても信じれへんわ」
だからと言ってただの女子高生だった私がすぐに人を殺せるかと言われればそれは無理なのだ。
人になったコネシマさんに真っ直ぐに言われると嘘はつけない。
「……確かに私は、まだ人を殺せません。でも、そんな私の代わりに手を汚してくれる人を、怖いだなんて思いません」
これは本心。
私が戦場に向かう時に率先してついてきてくれるのはいつもコネシマさんだ。戦場で、わざと声を張り上げて、自身にヘイトを集めて、相手を倒す。
私はいつもそんな彼の後ろで援護する。だから私の手は未だに綺麗なままだ。
「よう言うわ」
「コネシマさん、」
私のお礼の言葉は彼によって止められる。人型になった彼は静かに私の口を塞ぐのだ。
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🍞 - ご、語彙力が爆発してる、、すごすぎんか？ (9月24日 22時) (
レス) @page42 id: 42c1ea8f94 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんいつもありがとうございます…！番外編まで読んでくださって感謝しかありません…！また他作品は更新していくつもりですので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月14日 20時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます！本編のほうも、番外編のほうも、鳩山さんの素晴らしい文章に引き込まれ、読んでいて幸せな気分になれました。これからも鳩山さんの作品を読み続けさせてください…！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - メオさん» コメントありがとうございます！告白までしていただいて嬉しいです！これからものんびり更新だと思いますがよろしくお願いします…！ (2019年11月12日 19時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
メオ - うん、好きだ(確信)ありがとう(嬉し泣き)頑張ってくださいね！！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: 8aa2d098f2 (このIDを非表示/違反報告)
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