結婚前夜 ページ24
何を話すわけでもなくソワソワしてるエーミールさん。
私はそんな彼を見て、明日この人と結婚するのかと不思議な感情が生まれてきた。
「私たち、明日結婚するんですね」
心の声をそのまま口に出す。エーミールさんは鳩が豆鉄砲をくらったように目を見開く。
「エーミールさんまだ間に合いますよ。私責任を負って結婚なんてしてほしくありません。」
プロポーズされて直接言えなかったことをありのまま伝える。彼はしばらく視線を彷徨わせて、私の手を握った。
「大事なことを言えていませんでしたね。」
そして握られた私の指を優しく解いて、左手の薬指に指輪をつける。
「最初は責任からだったのかもしれません。
しかし、あなたを見てるうちにあなたの優しさにどんどん惹かれていきました。年甲斐もなくあなたが他の方と仲良くしているだけで嫉妬もしたほどです。」
「あなたには私のカッコ悪いところばかり見せてしまっていますね。」
目を伏せたまま彼は薄く笑う。私の左手を持つ手は小さく震えていた。
「……いえ、そんなことないですよ。」
ケーニヒとの戦争が終わって、倒れる私を甲斐甲斐しく世話してくれたのはエーミールさんだった。
熱が出て辛い時には自ら食堂まで走って喉の通りやすい食べ物を持ってきてくれたし、安静だと言われて退屈な時は私の興味を引く本や自身の知識を披露してくれた。
並んで歩く時は、彼の方が歩幅が大きいのにも関わらず私のペースに合わせてくれた。
いつだって穏やかに、優しく、私の側で私を支えてくれた人は彼だった。
「私、最初は結婚なんて嫌でした。よく知らない人と、責任なんてそんな理由で結婚なんて…」
「…では、」
「でも、エーミールさんは優しかったです。私を好きになろうと努力してくれる素敵な人でした」
「努力なんて、私は本当に惹かれて…」
「だから私もエーミールさんのこと好きになったんですよ？」
「……へ？」
「プロポーズの返事はyesってことです」
私は彼の震える指に自身の指を絡めて笑った。
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🍞 - ご、語彙力が爆発してる、、すごすぎんか？ (9月24日 22時) (
レス) @page42 id: 42c1ea8f94 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんいつもありがとうございます…！番外編まで読んでくださって感謝しかありません…！また他作品は更新していくつもりですので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月14日 20時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます！本編のほうも、番外編のほうも、鳩山さんの素晴らしい文章に引き込まれ、読んでいて幸せな気分になれました。これからも鳩山さんの作品を読み続けさせてください…！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - メオさん» コメントありがとうございます！告白までしていただいて嬉しいです！これからものんびり更新だと思いますがよろしくお願いします…！ (2019年11月12日 19時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
メオ - うん、好きだ(確信)ありがとう(嬉し泣き)頑張ってくださいね！！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: 8aa2d098f2 (このIDを非表示/違反報告)
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