桃色の瞳（rbr） ページ13
(rbr視点)
グルッペンから任務がきた。内容は侵入者の居場所を幹部に教えるな、といった奇妙なものだ。総統命令に従いながらモニター越しに侵入者を眺める。──自ら出口のない部屋に行ってもうて…アホやな。
その部屋にはすでにシャオロンがいる。捕まるのも時間の問題だな、と侵入者に対しての興味は薄れ去った。
しかししばらくして、ゾムとエミさんまでがその部屋に入ったのにシャオロンも侵入者姿も見当たらない。あの二人が逃すなんてことはない。仮に逃したとするならば…理由は一つ。シャオロンが匿ったのだろう。
大先生が倒され、グルッペンの好奇心を擽り、そしてシャオロンまで手中に収める侵入者。自分の興味が少しずつ、彼女に傾くのが分かる。
「…ちょっとぐらいやったらええよな？」
自分はこの軍の監視塔だ。でもまあ、たまには自由にしたいわけで。
愛用の弓を手に取って、彼らのいる部屋へと足を向けた。
.
..
...
侵入者の彼女は思ってた以上に、"普通"であった。殺気を向けた俺に対してビビってはいるし、強いどころがシャオロンに守られている。気に食わない、と思いつつ機動部隊隊長の本気に、降参だと手を上げた。その後ろでさっきまでびびり散らしていた彼女が重たい消火器を振りかざしていて思わず笑ってしまう。案外おてんばのようだ。
こうも短時間にシャオロンと打ち解けた彼女が、やたらと気になる。まだ未成年、なのだろうか。幹部の中でも身長の低い俺よりもさらに小柄の女。あどけない表情で…今にも折れてしまいそうなほどに細い。こんな女に鬱先生は本当にやられてしまったのか？
疑いが膨らむ。
そんな中彼女がシャオロンの背に隠れた。理由はたぶん…いや、確実にぺ神のせいだ。しんぺい神と俺が重なって怖がる彼女をなんとなく許せなくて、面布を外す。
俺の瞳を見て一瞬押し黙った彼女に、やっぱりこいつも一緒か。と勝手に落ち込む。しかし彼女は瞳をキラキラと輝かせたまま「綺麗…」と小さく呟いた。
「はっ…き、綺麗？」
まさか自分のことではないだろう。俺はこの桃色の瞳を持ったせいで随分と迫害されてきたのだ。生まれた存在こそが罪、だと何人もの人に後ろ指を刺されて生きてきた。そんな、俺の瞳を…
「はい！私桃色の瞳は初めてみたけどこんなに綺麗なんですね。星が瞬いてるみたいで素敵です。」
ニコニコと、何も知らぬ女は俺のコンプレックスをいとも容易く取り去った。シャオロンが絆された理由が少しだけ…分かった気がした。
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🍞 - ご、語彙力が爆発してる、、すごすぎんか？ (9月24日 22時) (
レス) @page42 id: 42c1ea8f94 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんいつもありがとうございます…！番外編まで読んでくださって感謝しかありません…！また他作品は更新していくつもりですので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月14日 20時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます！本編のほうも、番外編のほうも、鳩山さんの素晴らしい文章に引き込まれ、読んでいて幸せな気分になれました。これからも鳩山さんの作品を読み続けさせてください…！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - メオさん» コメントありがとうございます！告白までしていただいて嬉しいです！これからものんびり更新だと思いますがよろしくお願いします…！ (2019年11月12日 19時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
メオ - うん、好きだ(確信)ありがとう(嬉し泣き)頑張ってくださいね！！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: 8aa2d098f2 (このIDを非表示/違反報告)
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