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私は深呼吸をした。ほんの少しだけ、脈が収まったような気がする。それから、目の前の彼に、助けてくれたお礼を言おうと顔を上げた。

私の顔を見た彼が「あれ?」と呟き、キョトンとしだす。何のことか分からず、私は少しだけ彼の顔を見つめていた。

黄色髪の彼は、肌も二重(ふたえ)の形も羨ましいほど綺麗だった。瞳も澄んでいて睫毛がとても長く、「ザ・イケメン」という顔をしていた。別の意味でドキドキしてきそう。普通の女の子ならたぶん、落ちてる。

……向こうも私の顔をじっと見ていることに気づく。こんな整った顔の人に、見つめられるなんて恥ずかしいんだけど。見苦しい顔見せてごめんなさい。

なんて考えていると、彼は妙なことを言い出した。

「どっかで会ったことあるような……」

そう言って彼はさらにジロジロと私を見てきた。

「……?」

いや、私にその覚えは全くないのだけど……と、とりあえず見つめ返す。

「うーん……あ!」

すると、彼から意外な人物の名前が出てきた。

「もしかして君、緑間っちんトコのマネージャーっスか?」

とても聞き覚えのある、その名前。彼も例のごとく、梨花と私を間違えていると思われるのだけど、この際その事はどうでもいい。

「緑間くんのこと、知ってるんですか?」

私がそう聞くと、彼は爽やかな笑顔でこう答えた。

「やっぱり!知ってるも何も、中学の同級生で同じチームだったんスよ!」

中学の同級生、同じチーム?(バスケのことだろうか)ならもしかしたら……。

「あの……緑間くんの連絡先、ご存知だったりしますか?」

「知ってるっスけど……」

「重ね重ねすみませんが、彼に連絡を入れてくれませんか?私、彼らとはぐれてしまったんですけど、緑間くんの連絡先知らなくて……他もつながらなくて……」

少し不審な顔をされたが、事情を説明したところ、なんとなく分かってくれたようだ。

「了解っス。名前、聞いてもいいっスか?」

「はい。橋本Aです」

「Aちゃんっスね。今から電話かけるんで、待っててくださいっス」

そう言って彼はすぐにスマホを取り出して、電話をかけ始めた。

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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年5月10日 16時

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