〜１〜 ページ12
店長「ゆっくり焦らず、“の”の字を書くように……どうだい？」
金木「…店長のと比べると、何か違います」
店長「コーヒーは手間をかける事によって、全く味が変わるんだ。人も同じ、焦ることはないさ」
店長「大事なことを一つ。あんていくはただの喫茶店じゃない、20区の喰種が集う場所でもあるんだ。仲間同士でね」
金木「…！」
店長「もちろん、人間のお客さんも来る。いつかの君もそうだったね」
金木「あの、喰種は世間から身を隠すべきなんじゃ…それなのに、人間のお客さんを…」
店長「人の世で生きるには、彼らのことを学ぶ必要がある。…人間は、我々喰種にとっては生きた教本なんだ。それにね、私は好きなんだよ。“人”がね。…じゃあ、そろそろ董香ちゃんを手伝ってもらおうかな」
＿＿＿＿＿＿＿＿
貴女「……」
トーカ「A、多分そこからあいつの声は聞こえないと思うよ」←
貴女「…え？あ、ち、違うよトーカ姉…私は別に金木さんの声が聞きたい訳じゃないよ？ただ、何か聞こえるかなーってさ……ぐがっ！」
ドアに耳をくっつけていた時、ドアが開いてほっぺに思い切りぶつかった。
ヒデ「？！大丈夫かAちゃん？！」
金木「ご、ごめ…っ！」
貴女「だ、大丈夫…」
……ん？！？！
か、金木さんに見つめられてる！！
金木「ヒデ…なんでここに？」
ヒデ「バーカ！トーカちゃんとAちゃんにお礼言いに来たに決まってんだろ！…事故に巻き込まれた俺たちを助けてくれたんだろ？」
金木「……え？「まだ怪我が治りきってないみたい」」
トーカ姉は素晴らしい笑顔で言った。
……空気読め、って感じの意味を込めて足を蹴りながら。←
ヒデ「大丈夫か？」
金木「あ、うん…！」
ヒデ「そっか、西尾先輩はまだ入院してるみたいだからあれだけどさ…俺たちがかすり傷で済んだのはトーカちゃんとAちゃんのお陰だよ、ありがとな！…じゃぁ金木、またな！」
金木さんに手を振った後、彼は出て行った。
トーカ「バレないようにしなよ、アンタが喰種だってこと。もしあいつが私達のことに気づいたら、そん時はあいつ殺すから」
金木「そ、そんな！」
トーカ「殺されたくなければ死ぬ気で隠しな」
カランカラン…
トーカ「いらっしゃいませ…？！」
そこに居たのは、
リョーコ「トーカちゃん…」
貴女「！！ヒナミちゃん…リョーコさん！」
ずぶ濡れになったヒナミちゃんとリョーコさんだった
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作者名：らる@盃 | 作成日時：2018年8月18日 18時
