切なさを抱きしめて…[Yuta.K]② (ページ23)

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それでも岸くんは話し続ける。

優｢Aちゃんが直接言ってくれたでしょ？

“デビューおめでとう。ずっと応援してる！”って。

俺、嬉しくて思わずギュッて握っちゃった(笑)｣

どんどん点と点が繋がっていく。

『でもっ、

それもたまたまだったかもしれないよ？』

優｢今思えばね？

でも、その時は絶対にこの子だって

直感的にそう思った。

だから駅でぶつかった時はびっくりしたよ。

Aちゃんだって一瞬で分かった。｣

『だからあの時

私を見て“あっ”て言ったの？』

優｢え、俺そんなこと言ってた？｣

『うん、バッチリ…』

優｢うわ、まじかっ(笑)｣

『私達ってなんでも口に出ちゃうよね。』

優｢そう？｣

『あの時もそうだったし、

キーケース届けに来てくれた時も

私のこと優子ちゃんって呼んでた。

私も隠すつもりでいたのに

岸くんって呼んじゃったしね(笑)』

優｢たしかにな(笑)｣

岸くんはそう言いながら目を細めて笑うと

一度深呼吸をして

真剣な表情で私の目を真っ直ぐ見てきた。

だから私も、

なんとなくそうした方がいいような気がして

岸くんの方を向いてから正座に座り直す。

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