Ｙ学園青春白書【雷堂メラ】

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｢これですよ、待ってましたありがとうございます｣




｢この前の礼だから気にすんな｣





お昼休み、いつものように空き教室で昼ごはんを食べている


今日は、この前の(ページ6参照)お礼として、メラからAへ有名なフォーチュンビターブラックの差し入れがあった





｢ここの占い、当たるって評判なんですよ｣


｢興味ねぇな｣


｢あら、これひとつの袋にふたつはいっているようなので、よかったら1個食べません？｣


｢お前への礼だろ？｣



｢ここまでがお礼とおもってください、ほら｣






意外と押しに弱いメラは、渋々ながらも受け取り、2人でカリッとひとくち食べた




チョコの中から1枚占いの書かれた紙が出てくる



蝶野のものには、

『汝、想うものに近づき きっと気持ちに気づくなり』

と、書かれていた。


(まさか)



雷堂のものには、

『汝、愛しく想うものとは蝶のように舞たり 間違いなくば良好なり』

と、書かれていた



(…………)






少しの間、流れる沈黙







｢ねえ、雷堂くん｣



｢っ、なんだ？｣




｢雷堂くんの紙にはなんて書いてあったんですか？｣



｢みせねーよ｣



｢えー、どうしてです？まさか、恥ずかしい内容でも書かれてたんですかー？｣



｢ふざけんな！そんなんじゃねーよ｣



｢じゃあ見せてくださいよ！ねえ、ねえ｣




｢うわ、ひっつくな！というかつつくな！｣


いつもの、つんつん＆ねぇねぇ攻撃



すると、その様子をみていたAファンクラブの1人が誤って机に足を引っ掛けてしまった



その机は、いつもメラたちがイス代わりにしている机だったので、



｢！｣

｢！｣




がたん！という音を立てて、Aの方がメラの方に倒れ込んでしまった





メラとAの顔の距離はわずか数センチ

守ろうと思って伸ばしたメラの腕は、そのままAの背中と腰に回っている


お互いに、顔は真っ赤


初心だから仕方の無いことだが




｢あ、の、離して｣


｢え｣

Aはいきなりペラペラと話し出した

｢さっきから、力が強いです。ガードしてくれたのはありがたいですが、ももいいでしょう、まさか下心でもある｣



ちゅ




こんな、方法で





メラはAを黙らせるために、頬にひとつキスして急いで体を起こし、ただ一言｢悪ぃ｣と言って帰っていった






触れた頬は熱を孕み、上気している






(どうして、あんな……！)


意外すぎる彼の行動に、Aの頬はあつくなるばかりだった

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