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そもそも村自体が小さな村だったのだ。
端と端でもそんなに距離はないだろう。
近い場所にいるのに気付かなかったのをずっと彼はズルズル引き摺っている。
というより昔の話をし始めるのはいつも渡辺の方からなのに、結局気まずそうな顔を先にするのは渡辺の方だ。
宮舘｢結局会えたからいいじゃないか｣
渡辺｢やだ。俺が助けに行きたかった｣
宮舘｢翔太じゃ無理だろう、あの時の翔太は酷かった｣
渡辺｢しかも勝手に別の人と仲良くなってるし｣
宮舘｢別の人、って。阿部じゃないか｣
確かに宮舘が渡辺と再会した時にはもう、阿部を拾った後だった。
それをネチネチ言うなんて、全く、少しは自分が面倒臭い奴だという事に気付いていないのか。
それか気付いていて尚も宮舘だからと全部甘えきっているのか。
真偽は定かではないが。
渡辺｢…俺忘れられたのかと思ったもん｣
宮舘｢馬鹿だねぇ、忘れる訳がないじゃないか｣
渡辺｢だって、｣
宮舘｢大切な幼馴染みの事を1度死んだからといって忘れるものか｣
渡辺｢…｣
宮舘｢今日は随分と参っているようだねぇ？｣
渡辺｢…変な夢見ちゃったから｣
尻尾の1つを抱き枕のように抱え、顔を隠すように小さく呟く。
宮舘｢…そうかい｣
渡辺｢だから今日はどこにも行かないで｣
宮舘｢そうしてやりたいけど、そうしたらご飯が作れないじゃないか｣
渡辺｢やだ。離れないで。枕にさせて｣
宮舘｢……全く。困った子だねぇ｣
こんなにぎゅっとされたら、動こうにも動けないじゃないか。
サラサラとした髪の毛をそっとといてやれば、手まで巻き込んで抱き枕にし出した。
宮舘｢…どこにも行けないじゃないかい｣
渡辺｢そうしてるもん｣
我儘で自分勝手な幼馴染みに、結局許してしまう自分も自分なのだろう。
本当に自由気ままだな、と思いながら後で向井たちにお詫びしにいかないとなんてぼんやりと考えた。
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賭果(プロフ) - 初めまして、検索で見掛けてこの話のみ途中まで読んでいるのですが、ふっかさんがまさか…と思いました。その他のシリーズもぜひ、読んでいこうと思います (2020年6月14日 21時) (
レス) id: e86ba3e61e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - はじめまして。伍話の話がゆり組ー(≧∇≦)て感じがしてとても好きです。笑 これからも更新を楽しみにしています。 (2020年6月6日 20時) (レス) id: 2effd210bf (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 新作おめでとうございます！全部面白くて読ませて頂いてます。今作は自担であるめめが最初の主人公っぽかったのでとても嬉しいです。これからも応援してます！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年6月1日 17時
