＃10 ページ10
深「どう？」
「おいしい、です...」
安いのにこんな美味しいんだ、ってさっきから感動しまくりだ。
一方、深澤さんの手はほとんど動いていない。
「食べないんですか？」
深「食べるよ？でも、Aちゃんの幸せそうな顔見れたからそれでいいや〜って思っちゃって笑」
「...へ？」
深「俺、割と本気で言ってるよ？」
笑顔だったのが、いきなり真面目な顔に変わった
本気、って...
深「Aちゃんのこといいな〜って、思ってるけど？」
「...あの」
深「ま、いきなりこんなこと言われても困るよね？ごめんね、食べよっか」
「あの...！！」
今、今しかない。
深澤さんの本音を、聞くんだ。
「深澤さんは、私のこと、恋愛面でいいなって思ってくれてるんですか...？
それとも、友達？」
深「...」
「私、本当はこの誘いを断ろうとしてました
...でも、深澤さんの本音を聞いてから、今後どうするか決めようって、それで、受け入れました」
今、深澤さんが何を考えているかなんて分からない。
でも、少なくとも、深澤さんの目は私に向けられている。
深「んー、そうだね」
しばらくして、深澤さんは口を開いた。
深「分かんない、が正直な気持ち、かな」
「...そうなんですね」
深「でも、これだけは言える。
Aちゃんのこと、友達って思ったことはないよ」
「...」
それは、いい意味で受け取っていいのかな
...やばい、深澤さんのこと、ますます分かんなくなってきた
深「ま、そんな曖昧な感じだけどさ、これからも会ってよ、ね？」
「...考えます」
深「まあ、いつまでも待ってるからね」
深澤さんは、分かっているんだろうな
私が、その返事に断りを入れないことなんて。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2021年1月3日 14時
