高卒男、恋をする【紫】 (ページ4)

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＃4 電話ページ4

今日はたまたまバイトがなくて、大学からそのまま家に帰る日。

コツコツコツ...と足音が聞こえる。

...このパターン、こないだもあったような。

早く歩くと、比例して足音も早くなる。

あー...、これ、終わった。

なんとかして逃げようと意気込んだのはいいものの、一向に止まない足音

顔バレたら逃げるとかないかな...と思い後ろを振り向こうとすると、振り向く前に後ろから抱きしめられた

「っやめ、」

？「...」

「だれか、たすけ、っ」

？「ここは人通り少ないし、誰も来ないよ」

「やだ、いやだ...っ」

誰かに助けを求めようと思った時、頭に浮かんだのは深澤さんだった。

とにかく助けて欲しい気持ちでいっぱいで、今大丈夫かな、なんて考える暇はなかった。

「ごめんなさい...っ」

男の人の急所を蹴って、腕が緩んだ隙に抜け出した。

？「いって...っ、おい、待て！！」

必死になって逃げながら、片手で深澤さんに電話をかける

運良く1コール目で深澤さんは出てくれた

深「もしもし～？どした？」

仕事中なのか、他の人の声が聞こえる。

「たすけ、助けてください...っ」

深「今、何処にいる？」

私の声で察してくれたのか、口調が一変した深澤さん

目印になるであろう建物の名前を言うと、近くにいるからすぐ行く、とのこと。

深「いい？絶対電話は切らないで」

「はい...っ」

深「待ってて、すぐ行くから」

怖い、怖いけど。

深澤さんが来てくれる、それだけで心から安心していた。

深「近くまで来たけど...あ、ぽいやついたわ。
走りながら急所摩ってるやつかな」

「多分、そうだと...」

深「終わったら電話するから、今はそこで待ってて」

深澤さんは、何をするんだろう。

暴力とか...しない、よね？

深澤さんから電話がかかってきたのは、事があってから10分が経っていた。