＃24 ページ24
看護師さんや担当医の方が来て、もう大丈夫だろう、ということで酸素マスクが外された
「あの小さい子は...？」
深「擦り傷だけだって」
「そっか、よかった、」
安堵の息を漏らすと、辰哉さんに抱きしめられた
「辰哉さん？どうし、」
深「はぁ...まじで、よかった
本気で心配した、よかった...」
「ごめんなさい、心配かけて」
深「まじで心臓出るかと思った」
「...大袈裟ですよ、それは」
深「大袈裟じゃ、ねぇから...」
まじで心配した、と何度も呟く辰哉さん
...心配、かけちゃったな
「辰哉さん、」
深「...ん？」
「苦しいから、ちょっと離してほしい」
深「...あぁ、ごめんな」
力が緩んだ隙に、辰哉さんの口にキスをした
深「...へ」
「...キス、したくなった、から」
深「...不意打ちは、だめだよ」
もう一回、なんて言って再び唇が重なった
深「...何気、初めてのキスだよな」
「うん、」
深「...俺からしたかった」
「...ごめんね？」
深「...許す」
表情からして全然怒ってないし、辰哉さんは優しいなぁ、なんて思う
いつからこんなに好きになってたんだろ...
深「てか、今思ったけど...痛くないの？」
「...まぁ、痛いです」
深「やっぱりそうだよね！？
ごめん、抱きしめちゃったけど、痛くなかった？」
ちゃんと配慮してくれる辰哉さんも好き、なんて。
...絶対言わないけど、ね
「痛いの、今まで忘れてました」
深「ええ...痛そう、だし」
「...痛いですよ、そりゃ」
私の怪我は、全身強打、足の骨にヒビ、それだけで済んだらしい。
担当医の先生によると、よくこの怪我で済んだな、とのこと。
最悪の場合、死に至る可能性もあったらしい。
深「とりあえず今は治療、だね」
「...頑張ります」
深「...一緒に頑張ろ？
Aは一人じゃないよ」
「...はい、」
辰哉さんがいるだけで、私、頑張れるよ
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2021年1月3日 14時
