＃12 ページ12
自分でも訳が分からないくらいにウキウキしている。
今日は深澤さんと遊びに行く日。
深澤さんはデートって言ってるけど、そもそも付き合ってないんだし。
緩く髪を巻いて、新しく買ったアイシャドウをつける
「...よし」
なんでこんなに気合が入ってるのか自分でも分からない。
こないだ会った照には、深澤さんとなんかあった？って聞かれたけど。(あの人って言うの面倒で、名前教えた)
...なんにも、ないんだよな。
何もないからこそ、分からない...
.
.
深「ごめん、お待たせ」
「いえ！大丈夫ですよ」
深澤さんは約束の時間の5分前に来たのに。
私は15分も前に来てしまった。
...楽しみなの、バレてないかな
深「じゃ、行こっか」
「はい.......えっと、」
深澤さんは歩き出すと同時に、手を差し出してきた。
これは、手を繋ぎたいってこと...？
深「ん、、手」
「...っ」
深「...いや？」
「いや、じゃないです」
差し出された手に右手を重ねた
深「冷たっ！！
...ねえ、結構前から待ってた？」
「そんなことないですよ」
バレないように、平然を装う。
こういう時、私は嘘が下手だから分かりやすいって照が言ってたなぁ...
深「嘘だ、何分前からいたの？」
「...15分前、です」
もうバレバレだったから、素直に答えることにした。
深「まじ！？ごめん、長いこと待たせちゃったね」
「そんな、私が早く来ただけで、」
深「...楽しみにしてくれてたんだ？」
「...はい」
深「ふは笑 めっちゃ素直だね、可愛い笑」
急な可愛い発言にドキッとするけど、当の深澤さんは何も意識してない模様。
...慣れてるのかな、
深「もー、今度からは時間ぴったりに来ること、ね？」
当たり前のように次があることに、少し嬉しくなる。
...いやいや、なんで嬉しくなってるの
深「Aちゃん？」
「っあ、すみませ」
深「んーん、大丈夫、行こ」
繋がれた深澤さんの手は、白くて細くて女の子みたいだった。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2021年1月3日 14時
