＃1 出会い ページ1
〜Fukazawa side〜
記「100万部突破、となりましたが...
心境は如何ですか？」
深「正直、出版した時はここまで売れると思ってなくて。
...というか、彼女との思い出を風化させたくなくて書いたので、売れても売れなくてもどっちでもよかったんです」
記「今回のことは、偶然ということで？」
深「...まあ、そういうことになりますね」
ビルを出て、空を見上げた
深「偶然、だってさ。
でも、俺らが出会ったのは偶然じゃないよな...？
なあ、A...教えてくれよ」
どうしたって届かない彼女に、そう問いかけた。
...今日は、Aとの思い出を振り返る日にしようかな
.
.
〜You side〜
最寄り駅について、家まで歩く。
家に帰ったらレポートと、バイトのシフトの確認と...色々とやることが多い。
今日は急いで帰ろうかな、そう思い歩くスピードを早めると、後ろから聞こえる足音も早くなった。
...まさか、ストーカー？
なんて思うけど、されるような可愛さは持ち合わせてないし、気の所為だと思う。
いや、絶対そうだ。
気にせず急いで帰ろう。
そう思って少し走ると、後ろの足音も早くなる。
...ああ、終わったな、これ。
直感的に私はそう感じた。
これからどうしようか、そう考えていた時、後ろから唸り声が聞こえた。
後ろを振り向くと、細い男性がぽっちゃりの男性の腕を捻っていた。
？「電話して、早く！」
「は、はい！」
言われるがまま、警察に電話をした
すぐに警察官が来てくれて、対応してくれた。
私は事情聴取の為に警察署へ行き、数時間座ったままだった。
警察署を出ると、壁にもたれた細い男性がいた
...多分、ぽっちゃりな男の人の腕を捻っていた人。
「...あの、」
？「あ、終わった？」
「っあ、はい。」
？「怪我とかない？」
「大丈夫、です
あの、助けて下さってありがとうございました。
えっと...お礼、したいんですけど」
？「いやいーよ、そんなの。
困ってる人がいたら助けるのは普通でしょ？」
「でも、お礼しないと」
？「いーっていーって。気使わないでいいから」
「どうしても...！お願いします」
中々下がらない私を見て折れたのか、分かった。と返事が返ってきた。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2021年1月3日 14時
