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四羽 ページ21

「えーと、多分ここら辺………」



あれから数日後。



俺は善野さんを訪ねるために、彼の実家を探していた。



前に住んでいたアパート(ボロい)は知っているのだが、其処は既に売り払われていたのだ。



住所は頑張って調べた。



そして、今俺がいるのはその目的地付近の筈なのだが、ひたすら白い壁が続いているだけでそれらしき家は見当たらない。



「住所ミスったかな……」



と考えていると、白い壁の途中に門が見えてきた。



まるで道場の入り口の様な木造の立派な門だ。



俺はその前を通り過ぎようとした。



しかし、ふと目に入った表札に足を留める。



錆びたロボットのように、ゆっくりと目を表札に向ける。



「………嘘、だろ?」



“善野”と消えかかった達筆な文字が刻まれた表札を前に、俺は混乱するしかなかった。



「いやいやいやいやいや!?え、此処がもしかして善野さんの実家?!その割にはアパートボロいな!つかどうしよう!これってインターホン押すべきなのか?!」



そんなこんなで暫しの間考えた結果、俺は、勇気を出してインターホンを押す事にした。



インターホンがかなり古いのか、ビーンボーン、と濁った音が鳴る。



その後ブツッと音がして、聞こえてきたのは可愛らしい女性の声。



「……どちら様ですか?」



「あ、すみません、こちら善野義昌さんのお宅でよろしいですか?俺、ちょっとその人に用がありまして……」



「え、お兄ちゃんにですか?…わかりました。では、少しお待ちください」



女の人は少し驚いていたみたいだった。



そして、インターホンが切られてから数分後。



門の横の小さな扉が開き、先程の女性であろう人が顔を覗かせる。



次の瞬間、俺はその顔を見て驚愕した。



「っ明日華ちゃん?!」



「え、陽雅先輩?!」



その女性は、俺の大学の後輩だったんだ。

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もくもく@鬼灯なぅ - みーさん» あ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます! (2015年11月7日 1時) (レス) id: 4a5e4162ae (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 報告書二枚目の、近所の大学生と若い警官数名が犠牲になった事件で、夜行が夜光になっています。故意でしたら、すみません。 読んでいてとても引き込まれる話で、面白いです。私もこんな風にかければなあ笑 (2015年11月4日 20時) (レス) id: bcd7e9b2cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もくもく@鬼と神獣 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年10月26日 2時

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