一羽 ページ18
『ごめん…………、_____』
『私_せいだ』
『__________さよなら』
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意識が暗闇の中から浮かび上がってくる、寝起き特有の感覚。
目を開けると見慣れぬ、掃除のし過ぎか、と思う程白い天井が見えた。
視界の端には、女性の顔が見える。
「…………母さん……?」
「……っ陽雅?!良かった!気が付いたのね!」
その女性、母さんが、俺の顔を見るなり涙を流し始める。
「母さん、俺……痛っ!」
「ああ、駄目よまだ寝てなさい」
俺は身体を起こそうとしたが、全身を痛みに襲われ、母さんに無理矢理戻されてしまった。
それで分かったのだが、此処は、どうやら病院らしかった。
「待ってね、今、先生呼んでくるから」
「…うん」
あれから、どうなったのだろう。
A達は、どうしているのだろうか。
…無事に生きていると、良いのだが。
ーーー
あれから数ヶ月。
流石に刺し傷が深かったのだろう、長い入院生活だった。
色んな人達がお見舞いに来てくれた。
学校の同級生に後輩、母さん繋がりで知ってるおばさん。
本当に色んな人。
だけど、その中にAや善野さん、光里の姿は無かった。
そして、今日は退院の日。
受け付けのちょっと美人なお姉さんの声を聞きながら、病院を出る。
時間は、多分お昼過ぎ。
陽の光が眩しい。
俺は一度大きく伸びをして、息を吐いた。
「……さて、行くか」
病院の前に停まっているタクシーを見つけ、さっさと乗り込んだ。
行き先は、光里の家。
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もくもく@鬼灯なぅ - みーさん» あ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます! (2015年11月7日 1時) (レス) id: 4a5e4162ae (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 報告書二枚目の、近所の大学生と若い警官数名が犠牲になった事件で、夜行が夜光になっています。故意でしたら、すみません。 読んでいてとても引き込まれる話で、面白いです。私もこんな風にかければなあ笑 (2015年11月4日 20時) (レス) id: bcd7e9b2cd (このIDを非表示/違反報告)
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