一寸先は闇【名探偵コナン】 (ページ5)

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・5話ページ5

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In 男子更衣室

「で、どう思った？今日のAちゃん。」

「…どうって？」

着替えている途中に話し出したのは萩原研二だ。

「分かってるくせに、性格悪いぞ降谷ー。」

「そうそう、Aが柔道場入ってきた瞬間男共の雰囲気変わったのゼロが気付かないはずないしな。」

そうだ。それは柔道の練習が始まる前のこと。

………………………………………

「女子の柔道着って結構クると思わないか？」

意外にもそんなことを言い出したのは伊達航であった。その意外性に少し驚きながらも他の男達も伊達の意見に納得した様子である。

「確かに。普段はずっとあの制服だしな。」

と諸伏が賛同する。

「Aちゃんの柔道着姿はたまんないだろうな。胸チラとかないかな。」

そんな下心満載の萩原に降谷が
普通下に服着てるだろ、と冷静に返す。

「ところで萩原、」

こんなタイミングで言うのもなんだが、
と松田が続けて言う。

「お前本気で、Aに惚れてるのか？」

その一言は5人を黙らせるには十分重みを持った言葉だった。

「……どーだろうね。」

曖昧にお茶を濁す萩原の表情からは
本当の気持ちを読み取るのは難しい。

「あっ‼みんなー‼」

タイミングのいいAの登場により、
空気が一転しみんな同じ気持ちに行き着いた。

(((((やっぱりクるな、柔道着。)))))

………………………………………

「最近増えてるみたいだぜ。

　Aへの告白。」

と、松田は言う。
一体どこからの情報だと問うのは伊達だったが、みんながそう思っただろう。

「A本人からだから間違いない。」

「俺聞いてないけどー」

松田だけが知っているのが悔しかったのか。萩原は膨れた様子だ。

その萩原を横目で見ながら降谷は言う。

「断ってるのか？」

「あぁ。全部玉砕だ。」

心配そうに尋ねる降谷に、
少し誇らしげに答える松田に、
違和感を覚えたのは諸伏と伊達だった。

その違和感に気付かない振りをしたのもその二人で。ただ1人萩原は確信を持って、そして呟いた。

「……全員かー。厄介だなー。」

誰にも聞こえないくらいの小さな声だった。