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―期待は拒絶― ページ16

慎side
 まさか壱馬があんなこと言うなんて思ってもいなかった。

 自分の女とか全然違うのにな。



北人「さすが壱馬、一発だったね」

壱馬「あんな雑魚に時間かけすぎたな」



 壱馬は一度制服を叩くとその場に座ったまま放心状態のAちゃんのところへ向かった。



壱馬「お前、少しは抵抗しろよな」

『・・・・』

壱馬「ほら立て。ここに座ってて警察なんて来たらシャレになんねぇから」



 壱馬はAちゃんに手を差し伸べた。

 壱馬にしては珍しいことだ。

 Aちゃんはその手を掴もうとした。

 その時・・・



『いやッ…!!』



 いきなり手を引っ込め体を小さく丸め震えていた。

 よく見ると壱馬の手には相手を殴った時の血が少しついていた。



慎「もしかして血が苦手…?」

『・・・ごめ…んなさい』



 普通に血が嫌いな人なら仕方がないことだが、それとは違うような怯え方をしている。



北人「謝る必要はないよ。誰にでも怖いものはあるからね」



 Aちゃんはだんだん過呼吸に似た症状になってきた。

 さすがにこのまま何もしないのは辛いだけだと思い、背中を摩り落ち着かせた。



慎「大丈夫だよ。ゆっくり息しようね」



 できるだけ優しく、壊れ物を扱うようにそっと摩ると少しづつ治まってきているのを感じた。



『もぅ、だい…じょうぶです。すみませんでした…』

北人「いや、俺たちも怖いもの見せちゃってごめんね」

『私はこれで失礼します』



 Aちゃんは荷物を持ち、足早に俺たちの前から居なくなった。

 一体何を隠しているのだろうか…

―拒絶は標的―→←―恐怖は期待―



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haruna(プロフ) - お話素敵すぎました!!!慎くんのストーリーも読んでみたいです! (2020年1月12日 21時) (レス) id: 81796fa860 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椋和 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annsatupuri/  
作成日時:2019年6月29日 17時

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