【ヒロアカ】紅い龍.7[爆豪勝己]

312:反撃開始 ページ44

｢ははーっ、防戦一方じゃないか？緋龍！｣


｢そりゃあ私たちの個性の相性じゃ仕方ないわよ〜｣


さて、ああは言ったものもどう攻略していく


……なんて悠長に考える暇も与えてくれない


一度態勢を整えたくて距離をとろうとしてもこのアツ苦しい男がどんな姿勢であろうともお構い無しに距離を詰めてきやがる


そして地味に厄介なのが少し遠目にいる女


遠距離派ほど面倒なやつはいない


そいつから潰しに行こうにもこの男がすかさずカバーに入る


もっと言えば、空中移動を制御されてしまっている


翼を動かしたくて力をこめても微動だにしない


おかげでこっちはビルの壁面を蹴る移動しかできず、さらに攻撃を仕掛けようと間合いに入ろうとすれば女の個性で距離をとられる


いきなり見えない糸に引っ張られていくように


ったく、いい連携しやがる


他の地上にいる奴らはちょくちょく個性で攻撃を仕掛けようにも上まで来る素振りはない


恐らく出来ないんだろう


だとしても、相手に分がありすぎるな


『打開策…っ！』


最初にいたところから少しずつ後退していたかいもあって勝利の道筋が見えた気がした


神も私をまだ見捨てちゃいないな


｢どうした緋龍！！攻撃的なお前が防御ばかりだな！？｣


｢それだけ私達に対して余裕がないのよ｣


ウッザァ…今にその伸びきった鼻へし折ってやらァ……


よし、次近寄ってきた時に……


｢じゃあ、さっさと勝負決めちゃおうか！！！｣


男が右手を引いたのと比例して私の身体も同じ方向に動く


ほんと、コイツの個性なんなんだよ！？


為す術もないだなんて認めたくない


チート個性だとしても弱点はあるはずだ


よく見て感じて考えろ緋龍A！！


先入観をとっぱらえよ！


あれ？そういえば、翼…動く！？


あぁ、なんとなくだけどアイツの個性わかった気がする


｢っ！？リョウ！！引いて！！！｣


私が気づいた事に、女は気づいたのか個性で私との距離を離そうとするも、既に時遅し


私の右肩のポインターにボールで直で殴られた勢いで後方にわざと(・・・)吹っ飛ばされる


｢なんだよ、ナオ 別に問題ねぇだろ？現に１個とったわけだし！｣


｢馬鹿！！！なんでよりによってソッチ(・・・)に飛ばしたの！！！｣


女が叫んで、男が何故だという顔をコチラに向けた瞬間


大きな水しぶきが上がった


さぁ、反撃開始だ

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