【ヒロアカ】紅い龍.7[爆豪勝己]

272:あと少し ページ1

｢おい、緋龍そんなことして何がしたい｣

『気を失えばこっちのもんだろ そしたらコンプレスの個性で回収した方が早い 手数が多いだけじゃコイツの個性をさらに強化していってんのも同等だ』

加えてこうも近接戦闘ばかりしていちゃ援護するに援護できる個性じゃないだろ、てめぇらの個性は

それに近接戦闘の連携ってのはシビアなものだ

荼毘がいたら話は別だったかもしれないが、奴はノックアウト中だ

ギリ………

うっ…やば、締まってきやがった、コイツ……っ！

もう少し、あと少しでいいからもってくれ…

緑谷達がなんとか出来るための打開策を立てられるまで…もしくは他のプロヒーローが現着するまででいいから…

『体育祭っ、の、時の方が機敏だったんじゃねぇの！！…っく、…ぁ……』

やっ、ばい…ギリギリと締め付けられる

気道を締め付け酸素がだんだん肺に届きにくくなってる…

くそっ、分かっていたけど、苦しい…


バタッと力なく地面に座り込んだ様子でようやく気がついた

うぁ…苦しい苦しい苦しい……辛い…酸素が欲しい………

耐えろ、Aあと少し、だろ…

｢おいっ！！A！！｣

｢っ！アイツ自滅を選んだか！！｣

首元には締まる縄の感覚があるのに、掴もうとしても掴めず、手は空を描いたまま

連合メンツが死柄木の命により、一斉にかかってくる

それを決死の思いで炎の壁を作り出し遮る

ギリギリギリ…ッ

『うえ"っ！！…げ、ほ』

｢馬鹿かよてめェは！！！｣

私を抱き抱えるように体を気道を確保できる楽な姿勢にしてくれるが、それも正直意味を為さない

『いっ、ま…のうちに……かつ、き…にげて』

蚊がなく今にも死 にそうなカスカスの声を絞りとる

大丈夫かな、ちゃんと聞こえたかな…

｢クソA置いて逃げるもん逃げられっか！！！！｣

生理的な涙で滲んでいる視界では勝己の姿をはっきりと見られない

あぁ、大好きな人の腕の中で死 ねるのは嬉しいがそれは本望じゃないんだ

私を置いてでも逃げてよ、勝己…

｢おい！！目つぶんな！！！根性足りてねぇんだよ！！！｣

あぁ、そうだね、私が今死 んだら、この炎の壁も消えて勝己の事助けられないや…

あと少し頑張りたいけど…もう手に力も入らないや

ごめん勝己……早く逃げて…

目を瞑りかけたその時、視界がゆっくりと暗転して、唇に微かな柔らかさと、肺に届く爽快感

｢勝手に死 んだりしてみろ！！！許さねぇからな！！！！｣

息が荒い勝己がぼんやりと見えた気がした

273:解放→

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