君とカフェモカ

えぴそーど　２０ ページ20

*
　まいったな…

　こんなことならAの携帯の番号とアドレス聞いておけばよかった…

　地方のスポーツクラブに招かれて子供たちに出張トレーニングに行ったの

と、取材と撮影で２日間の拘束、おまけにあの店の店休日ときて、Aの

笑顔をずいぶんと見ていない。


「Aはオレのだから―――」

　あの日、Aに告白のようなものをしてから５日が過ぎようとしてい

た。

　Aに逢えないこの５日間、毎日のようにAの声を、笑顔を思い

浮かべていた。

　逢えないこの５日間、Aは何を思い、何を考えていたんだろう？

　店に来た、あの男とはその後どうなったんだろう？

　あの時のAの言葉では、もうあの男はAの心の中にいない。

　真意を確かめる術は無いけどAは嘘なんて言わない。

　うまく解決しているようにと今は願う事しか出来ない。


　A―――今キミはどこにいて何をしてるの？

　A―――今キミは何を見て何を考えているの？

　Aの頭の中がオレの事でいっぱいだったらいいのに…

　オレの事以外、なにも考えられなくなったらいいのに…

*

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