第100話 悪夢の花園7 魔族の空間、花 ページ4
ユウキ「鬱先生、あれは...貴方は....」
途切れ途切れ、そう聞くと
僕な、と鬱先生が苦笑いを浮かべながら語り始める
鬱「魔族の王子様やってん、まぁ魔力調整ができんもんで魔法を使うの嫌っとったんよ、でもまぁあんまりにも煩くて嫌になって、わざと魔力全解放して邪神呼んで敵軍だけやなく国を襲わせたんよ」
鬱「まぁ誰も死なんかったから国外追放ですんだけど、駄目やな、やっぱ僕をきっとみんな、怨んどる、やからこんなバカみたいな意識世界に閉じ込められるんやなぁ」
ユウキ「...」
鬱「ユウキはなんで居るん?ここは俺の意識世界やろ?なんか大変なことになってるなら、グルちゃんとかの方に行ってあげt...」
思わず、彼の頬を両手で挟んでぐっと引き俺に顔を近づけさせる
ユウキ「馬鹿なこと言って諦めて悪夢に呑まれないで下さい!鬱先生がどんな人だろうと!俺は貴方が好きです!」
鬱「ちょっ////」
距離が近かったせいかめちゃくちゃ鬱先生が顔を真っ赤にする
俺はパッと手を離して
ユウキ「帰りますよ!...ね?」
じっと目を見つめる
うぐぐ、と一回悩んだ鬱先生が
鬱「ッ、あぁもう!仰せのままに!!」
そう叫んだ瞬間
世界はムスカリの花畑にかわる
グルッペン「いたゾ!」
ユウキ「グルさん!」
鬱「グルちゃん!?トンち!?」
トントン「おぉ、ここはお前の空間やったんか」
鬱「へ??何が起こってんのコレ?」
グルッペン「えっとな...」
((事情説明))
鬱「へぇ、じゃあその夢魔を探しつつ皆を助けて回っとるんやな?」
ユウキ「夢魔のせいだって話は俺の憶測に過ぎませんけどね...」
鬱「いやあっとるで?意識世界、しかも夢の閉じ込めて、過去の記憶を見せるなんて芸当は夢魔にしかできん」
よくできましたぁ、と鬱先生が撫でてくる
ユウキ「ちょっと、やめてくださいよ恥ずかしい」
トントン「はいはい、はよ行くぞ」
鬱「冷たいなぁ...」
鬱先生が花に触れれば、また同じように手に模様が浮かぶ
鬱「しんぺいさんも結構メルヘンやな...こんなシステムよう考えたもんや」
ユウキ「でも相手も黙ってないんですね、まさか俺しか過去の記憶の場所には行けないなんて」
トントン「邪魔せんといて欲しいな、ホンマ...」
グルッペン「まぁまぁ、とりあえず先に進むゾ!」
俺らは、輝き出した光に歩いていくのだった
鬱(なんでグルちゃんこんなに上機嫌なん...)
トントン(探検気分やねん、たぶん)
第101話 悪夢の花園8 精霊の空間→←第99話 悪夢の花園6 魔族の空間
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作者名:夜月ルナ | 作成日時:2020年1月23日 9時