第107話 悪夢の花園14 小人の空間、乱 ページ11
次の空間もまたもや一人
手に残った兄さんの手の感覚が少し虚しい
今度は誰のかなぁなんて思いながら記憶を眺める
深い森の奥、谷に沿って建ち並ぶ民家等に出入りする
背の少し低い人達
どうやらここはドワーフの村のようだ
ってことは、ロボロくんか
少し街を見て回れるようなので
見ながらロボロくんを探そうかと
一歩二歩、踏み出したときだった
ﾕｳｷ「ｯ、ぅ"！？」
突如、全身の力が抜けて横に倒れこむ
状態異常系の魔法のようだ
？「やあ、ルピナスの罪人」
上から声が聞こえる
記憶の投影のおかげで土に見えるが
倒れた感覚はガラスかなにかのような地面に
声の主が、その裸足の足で俺の目の前にゆっくり降り立つ
空間から溶け出すように出てきたその行動と、容姿に
それが何者なのか理解する
淡いオレンジのフワッとした髪の頭には
羊のようで羊よりゴツゴツとした角が生えている
母に生えていた同じような
動物に似て非なる山羊の角は覚えているから
コイツが、夢魔であることは確定だろう
ﾕｳｷ「お前が、夢魔か」
？「いかにも、私が花園の支配者だ」
可愛らしい女の子の様な見た目と
しゃべり方と瞳の死に具合が合致しない、いやそれより
ﾕｳｷ「花園の支配者って事はお前が！」
その怒りに身を任せ
力を振り絞って起き上がろうとした瞬間
ソイツが俺に手を翳す
ﾕｳｷ「ッあ"ぁ"！？」
途端に激痛が全身を走る
？「内側から痛覚を刺激された気分はどうだ？」
厄介な魔法を持っているもので
ﾕｳｷ「ｸｯ、ｿ、が！」
？「それはこちらの台詞だ、あの神め、私の花園の花を鍵に空間を繋ぐなんて事を...だがまぁ、ここでお前を殺してしまえばいいだけの話だったがな」
無表情ではあるが、その声には微かに怒りが混じっている
ﾕｳｷ「ふ、ざけん、な、ぁ、くっあ"」
「あぁ最後に教えてやろう、我が名はマリーゴールド、あの世で広めるがいい」
その手が俺の顔に近づいた時
ﾛﾎﾞﾛ「なにしとんじゃっ！！」
第108話 悪夢の花園15 小人の空間→←第106話 悪夢の花園13 破壊者の空間、花
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作者名：夜月ルナ | 作成日時：2020年1月23日 9時
