第85話 毒 ページ38
鬱side
ユウキ「捕まえた」
焦ったグルちゃんの声とは正反対の
子供のような無邪気な感じでユウキはそう言ってゾムを抱き締める
一応首を噛み千切られないようにしているようで、優しく強くゾムの頭を抑えている
ゾム「フーーッフーーッ」
荒い息と無線から肉の傷付く嫌な音が聴こえる中
ユウキ「"そんなもんじゃないでしょ、お前の心は"」
いつかゾムがユウキに言った台詞に似た言葉が響く
ピタリ、とゾムさんの動きが止まる
ゾム「ユ、キ」
首から口を離し、ポツリと呟く
ユウキ「うん、俺だよ」
ゾム「ッ、ゴ、めン、ゴメンナサイ」
子供のように焦り泣きそうなゾム
共に膝から崩れる二人
二人の周りの敵を倒すことしかできず
僕はただその情景を見つめる
ユウキ「大丈夫、大丈夫だよ」
そう言いながらゾムを慰めるさまはまるで聖人だ
まぁ聖人には返り血まみれの黒い爪何てないが
しかし、やはりゾムが、蛇が噛みついたのだ
毒は入ったようで、ユウキは首から血を垂れ流しながらゾムの腕の中へ倒れこむ
完全無防備な二人を見逃すほど敵もアホではないらしく
怒号が二人に迫る
ゾム「チッ....」
一つ舌打ちをしてユラリとゾムが敵を睨む
怒号は瞬時にやみ、戦場に異様な空気が流れる
ゾム「大先生」
鬱「は、はい?」
ゾム「ユウキ頼むわ」
駆け寄ってユウキを抱える
それを確認したゾムが敵に突っ込む
ふと見れば、ユウキは
僅かに笑っていた
鬱「毒、か」
毒はどっちやろうな...
そこから僅かな時間で
もはや笑いもしなくなった化け物が
全敵兵の死体の山を造り上げたことは
言うまでもないやろう
61人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜月ルナ(プロフ) - 海玲 ミレイさん» ミレイさんコメントありがとうござます!フェアリーテイルは漫画を全巻読んでいまして、それこそ魔法の参考にさせて頂いていたりしています。 (2021年1月2日 21時) (レス) id: 012def0b6c (このIDを非表示/違反報告)
海玲 ミレイ - 初コメです! もしかしてフェアリーテイル知っているのですか? (2021年1月2日 7時) (レス) id: 4fcf758c47 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ルナ(プロフ) - バリバヒさん、ありがとうございます!頑張って書いていきます! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 7d5c3fd4fb (このIDを非表示/違反報告)
バリバヒ - 続き期待してます、すごい壮大で美しい物語ですね (2019年12月6日 16時) (レス) id: dc5f1fb27a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜月ルナ | 作成日時:2019年12月1日 9時