幼き日 ページ2
俺は幼稚園に通い始めた。
ここにいちごちゃんはいない。
同い年ぐらいの男の子たちと遊んで、やんちゃ度がますます増えた俺。
すっかり女の子たちから悲鳴をあげられる対象だ。
そんなだから、いちごちゃんと遊んだとき何度か泣かせたことがある。
ある日の公園で、いちごちゃんは別の男の子に泣かされていた。
俺はムカついた。
なんで他の子と遊んだん?
なんで俺以外の男の子に泣かされてるん?
なんで泣かしたんや。
___許さん。
いっつも俺が泣かしてたくせに、もう大丈夫やで、なんて言っていちごちゃんを守った。
俺が守る。
そう言うと、彼女は頬を赤くした。
いちごみたいに。
この日から、いちごちゃんには俺がずっとついとくんやって決めた。
もう泣かさんって。
家から近い幼稚園を走って抜け出して公園に通った。
先生と親からはひどく叱られた。
それでも俺は懲りなかった。
彼女の笑顔のためだけに。
なのにいちごちゃんは遠くに行った。
大きなったら俺迎え行くわ、って最後にかっこつけさせてもくれんかった。
公園に行ってみれば、作りかけの砂のお城。
“バイバイ”という紙と、いちご味のグミがそこに落ちていた。
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作者名:いちごあめ | 作成日時:2019年1月13日 2時