小瀧と重岡。

小瀧と重岡とおやすみ。6 ページ32

桃



とりあえず今日はのんちゃんちに送り届けてもらうから。そう照史に言われて気合が入った。早く仕事終わらせてしげに会いたい。抱きしめてあげたい。



そんな気持ちからいつも以上に集中して取り組んだ仕事はスタッフさんから褒められるほどのできやったらしい。



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桃「 しげっ！ 」

赤「 っ、びっくりしたぁ 」

緑「 ちょっとのんちゃん。もうちょいボリューム抑えて 」



俺がおらん間は神ちゃんが監視係をしていてくれたらしく、家主がおらん俺の家にかみしげが揃ってた。



ソファに並んで座って神ちゃんがしげの手を握ってる。しげもギュッと神ちゃんの手を握り返してて。…正直妬く。



やって、俺に1番に頼って欲しいもん。



そんな俺の様子に気づいたんか神ちゃんは苦笑いでしげに話しかけた。



緑「 じゃあしげ、俺帰るわな 」

赤「 うん。ありがとう神ちゃん 」

緑「 またなんかあったら言うんやで？ 」

赤「 はーい！ありがとうオカン！ 」

緑「 誰がおかんや 」



神ちゃんはそうしげの頭を叩こうとしたのを、寸前で止めた。切なそうに笑った神ちゃんはもう1回ほなな、と笑って帰って行った。



桃「 …しげ 」

赤「 ん？ 」



声が聞こえる方向は分かるからか俺の方を向くけど目は合わへんのがすごく悲しくて切なくて。なんか片想いしてる気分。



桃「 隣座ってもいい？ 」

赤「 ええよ！おいで！ 」



自分の座ってる隣をポンポンと叩くしげ。さっきまで神ちゃんが座ってたからか少し暖かいらしく「あ、神ちゃんの体温する」ってくふくふ笑った。



そのしげの手を優しく握る。少しびくっとしたけど俺ってわかってるからかきゅっともちもちの手で握り返してくれた。そのまま隣にできるだけ優しく座る。



桃「 しげ、今どこまで見える？ 」

赤「 …んー、まだあんまりかな？ 」



ごめんな？なんて視点のあってない目で俺を見て謝るしげ。ちゃう。別に謝って欲しい訳じゃなくて。



桃「 焦らんでええから 」

赤「 え？ 」

桃「 焦らんと、俺と、メンバーとゆっくり治していこ、な？ 」

赤「 …うん 」



そう小さく笑ったしげは俺の肩に頭を乗せようとしたんか俺の方に身体を寄せたけど少しずれて俺の膝の上に頭が乗った。



赤「 んわ、…へへ、間違った 」



って笑いながら起きようとするからその頭を撫でた。



桃「 ええよ、そのままで 」

赤「 ……うん、 」



膝の上がしげの涙で濡れてるのも気付かないふり。



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