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キングス・クロスを後にして、その日はあちこち連れ回され、邸宅に落ち着いたのは夜も10時を回った頃だった。
「お帰りなさいませ」
「カストルとポルックスを呼んで」
玄関先で山のような荷物を使用人に運ばせながら、母は我が家に仕える屋敷しもべ妖精を呼びつけた。
「奥様、お呼びでございましょうか」
「貴方たちに新しい仕事を与えるわ。荷解きをなさい。あぁ、ポルックスはダイニングに紅茶の用意をして」
「かしこまりました！」
双子の屋敷しもべ妖精は、各々に割り振られた仕事にいそいそと取り掛かる。
フリント家には屋敷しもべ妖精に加え、5人の人間が働いているがその役割は明確に分けられている。
私たち家族に直接関わる仕事は人が、掃除や洗濯、料理といった雑務をこなすのが屋敷しもべ妖精である。
「A、トランクを部屋に置いたらダイニングへ来て。話があるわ」
1日歩き回ったので今は一刻でも早くベッドへダイブしたかったが、どうやらそれは当分おあずけとなりそうだった。
「ありがとう」
ティーカップを運んできたポルックスに礼を言うと、彼はいつものように目を逸らして異端者だとでも言いたげに、さっさと私の前から退いた。
「さて。今週末、我がフリント家において伝統あるパーティーを開催する。マーカス、何か分かるか？」
「Aの社交界デビューでしょうか」
「そうだ。12歳を数えると共に、子息のお披露目をするのが習わしだ。このパーティーには純血一族の結び付きを改めて確認し合い、互いの発展やその後の地位を左右する政治的意味合いもある」
父はウィゼンガモット法廷に所属する判事だ。政界への足がかりとしてこの期を利用するつもりなのだろう。
「フランスからシュバリエの者も呼びましたの。皆、あなたの姿を見るのが楽しみだそうよ」
母はフランスの旧家、シュバリエ家の末娘だ。もちろん生粋の純血主義一族で、さらには派手で美しい物好きときた。なるほど、合点がいった。あんなにドレスやアクセサリー、靴を買い漁ったのは彼らが来るからだ。
「既に然るべき家に招待状を送ってある。A、くれぐれも粗相のないように努めなさい」
「……はい、お父様」
父は私の返事に満足気にティーカップを傾けた。
本当に何から何まで権威主義的な一族である。
気乗りはしないが、流石にパーティーをおじゃんにする勇気は持ち合わせていなかった。
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まな(プロフ) - とても面白くて続きが気になります！更新気長に待ってます！ (6月29日 21時) (
レス) @page28 id: 0028381799 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - まるさん» フレンド申請を私のほうでやらせていただきますね!すると通知が来ると思うので、そこをポチッとなです☆ (2022年4月17日 22時) (レス) id: 6ae6cf354a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 平凡な人さん» こんばんは、コメントありがとうございます！本当にドラコは可愛いですね…。フレンドのお話是非お受けしたいのですが、疎くて方法がわからないです。教えてください🙏 (2022年4月17日 22時) (レス) id: 91e2d78cc8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいております!ドラコ可愛いですよね!!フレンドなりませんk(((( (2022年4月16日 22時) (レス) @page13 id: 6ae6cf354a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2022年4月6日 20時
