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『さて、キルア。本題に入ろう。お前、母者君とミルキを刺したな？』
うっ、と言葉に詰まる。自分としては邪魔だったし煩かったから刺しただけだったのだがそのことについて姉はお怒りらしい。
この姉は。ゾルディックを嫌うクセに家族をそれはもうとても大切にして愛している。厳しい訓練もこの姉が時折甘やかしてくれたから乗り越えられた部分もあったのだ。
「オレも家出したくなったしさ。ちょうど親父もイルミも」
『イル兄』
「……イル兄もいなかったしさ。チャンスだと思って」
それを聞いたA姉は深い溜息を吐いた。やはり、叱られるのだろうか。実は今までのは演技でこれから連れ戻されるんじゃないんだろうかと身を固くする。
『家出がしたい、結構。しかしお前はやり方が不味かった。今は一応親父殿が当主。親父殿に認められなければ家出も認められない』
「じゃあA姉はあの親父に認めさせたってのかよ！」
そんなことはありえないだろう。泣く子もその名の前では口を噤むゾルディック家当主。暗殺者として育てられ、暗殺者として子を育てるあの親父がこんな自由奔放でしかも銀髪の姉の家出を許すわけがない。
と、思っていたのに。
『ああ。私は認めさせたぞ。親父殿の弱味を握り、それを交換条件として“三ヶ月逃げ切ったら家出を認める”という条件を呑ませた』
「逃げ切ったのか？」
『だから６年経った今でも私は“家出中”なのだ』
「ちなみに親父の弱味ってのは……」
『馬鹿、教えるわけがないだろう。それを掴むことが出来ないのならば家出など叶うはずもない』
この姉が類まれなる実力を有していることはなんとなく知っていたが、知っていただけだった。姉はいつも笑い、堂々と振る舞うだけでその実力をオレに見せたことはない。
ただ、親父やじいちゃんの姉の扱いを見ていれば。何より、イルミの姉に対する態度を見ていれば分かる。それ故に姉がただ漠然と強いことは分かるのだがどれほど強いのかが分からない。
それが恐ろしかった。
「……姉貴は、オレを連れ戻すのかよ」
『それが第一の目的であったならばお前に声などかけずにさっさと気絶させている！安心しろ。少なくとも私はイルミのように強引ではないぞ』
姉貴は嘘は吐かない。ひとまずは肩の力を抜いてこっそり溜息を吐いた。
―――もう殺しは嫌なんだ。
そう心の中で呟いて此処は蛆虫の巣窟か！などと喧嘩を売るような言葉を吐こうとした姉貴の口を手で塞いだ。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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