�ぁ� ページ27
壁をリズムよく２回叩いて１拍置いて早めのリズムで今度は４回。それは聞き慣れた、でも懐かしくもあるオレ達の間だけで使われる合図だ。
意味は「お前を探す」。オレは試験補佐ハンターを気絶させて奪った部屋からひょっこり顔を覗かせた。
「や」
『お前のことだからどこかの部屋にいるとは思ったが本当に出てくるとはな』
「オレが合図を聞き逃すはずないじゃない」
指先で壁を叩きながら歩いていただけだが？と首を傾げられたがもはや脳がそのリズムに反応するようになっているのだ。Aを部屋に招き入れ、新品のタオルを用意する。
「シャワー浴びるでしょ？」
『ああ。それにしても変装は解いていいのか？』
「うん。誰も来ないっぽいしアレ結構キツいし」
Aがシャワー室に消え、何分か後に出てくる。オレは椅子を引いてそこに彼女を座らせた。
「乾かすよ」
『悪いな。そういえばお前に乾かされるのは久しぶりだ』
「オレもAにしばらく乾かしてもらってないな。もう一度シャワー浴びようかな」
『馬鹿。一緒に寝る時間が減るだろうが』
Aのために持ってきた流さなくてもいいトリートメントを手に出して満遍なくその銀糸に広げる。少し揉んでからドライヤーを３０センチは離して熱風で乾かす。
この髪が好きだ。Aは自分がこの髪を持っていることを疎んでいるが、オレのお願い通りに切らないでいてくれるのは嬉しい。
『……食うなよ？』
「…………もうやらないよ」
『危ない。言わねば食うつもりだったな？』
昔のことだ。こうやってAの髪を乾かしている時に好きだという気持ちが溢れてどうしようも亡くなって、オレはAの髪を食んだのだ。
歯でぷつりと髪を切ったあの感触は今でもよく覚えている。口に入れた銀髪は絹のように滑らかで。味はなかったけれど、ずっと食べていたいと思わせる代物だった。この髪に比べれば三ツ星レストランの料理長だって用無しだ。
「はい、終わり」
『じゃあ寝るとしよう』
Aはベッドに入って横に詰めた。その空いた部分にオレは入り込んで布団を被る。
布団の中、二人の息が混ざり合って生ぬるい空気が暗闇を満たす。
「久しぶりだね、一緒に寝るの」
『ちと狭いな』
１０歳の時に部屋を離されてからというもの、一緒に寝る機会はめっきり減った。離された理由が分からないほど子供ではなかったけれど、あれからずっと不満に思ってはいる。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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