龍が贈る終幕 ページ23
は？とシルバが眉根を寄せる。仕方の無いことだ、突拍子もない上に今ここで急に言い出したことなのだから。
「だからゼノにAちゃんを呼び出してもらったのじゃよ」
ああ、目で「話を合わせろ」と伝えればゼノは仕方ないと言わんばかりの色を浮かべた。ここで乗らなければ後々さらに面倒なことが分かっているからだろう。
「……親父。そいつのことを甘やかさないでくれ」
「好きでやっとると思うか？」
微笑んだまま表情を変えないでいたらその虎のような瞳で睨みつけられたが後ろ手に組んでいた手の小指を僅かに動かしてやればその威嚇もなくなる。事情は察したらしく、低い声でAに次はないと言ってから部屋を出ていった。
『ネテロ！ネテロの爺！ありがとう！』
「いいんじゃよ。さて、さっきの話受けてくれるかいの？」
『私への仕事の依頼、ということだな？もちろん！』
ゼノはAを自分の隣に座らせた。わしも向かい側に腰を落ち着け、ようやく話が出来る状態となった。
「……Aはまだ子供じゃ。そう易々とお前さんの依頼などに出せはせん」
「丸くなったのう。さすがに孫は可愛いか？」
「アホ。ゾルディックに失敗は許されん。それだけじゃ」
相変わらず素直ではない一族だ。マハも妙なところで意地を張っていたことを思い出してカッカッと笑う。
「なに。失敗など有り得んよ」
ちょこんと行儀良く座っているAを覗き込む。
「神、なんじゃろう」
『当たり前だ！』
何がキッカケで。そして何が理由でそんなものを名乗っているのかは知らないが。ただ一つだけ分かることがある。
この子は【それ】を名乗る意味と責任を理解しているという事だ。ならば十分に信用するに値する。
こんな判断を気狂いだと思うか？しかし長い人生で徐々にすり減っていく感情の琴線をこの子は踏みつけるくらいのことはしてくれるだろうという期待があった。
「A＝ゾルディックに依頼を申し込む」
結果。彼女は確かに仕事を完璧としか言い様がない程に果たしてくれた。
途中で入った《子》の妨害にも足を取られず、まるで羽があるかのような身軽さと勘の良さにて暗躍し、ハンター協会の噂に上がることすらしないで秘密裏に面倒事とその元凶を処理してくれたのだ。
「お前はもう引退じゃの」
そう言ってネテロに挑発するように笑いかければその龍のような髭を揺らして一言、彼女によく似た動作で「ふん」と奴は鼻を鳴らしたのだった。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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