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後ろから羽交い締めにして動きを封じるが、その途端に首元の龍が動いた。首を締められ、Aは苦しげに呻く。
「誓約か。自身にかけられた能力は他人にかけるものよりも強制力が強い、と」
「何冷静に分析してるか。このままだと詰みよ」
Aが捕まったらワタシは死ぬ。Aが死んでもワタシは死ぬ。
加えてAにはイルミの殺害は禁じられている。この後それが解除されるならばまだ打つ手はあるが、今は打てる手が本当にない。
「フェイタン、一旦離してやれ。オレ達も広場に向かう」
Aを離してやれば、無言で人形の様に歩き始めた。放送前の生気はどこに行ったのか、ただただ昏い瞳で前を睨みつけている。
時計台前中央広場に到着すると、そこにはイルミとピエロが立っていた。どうして、とAが漏らす。
「あー良かった。言ったけど賭けだったんだよね」
『貴様……』
「そんな怖い顔しないでよ。オレだってしたくなかったんだよ？でもAってば話も聞いてくれないし逃げてばっかりだから」
『要求は』
「うん。今すぐこちらに来い、って言いたいところだけど時間をあげる。期日まで迷っていいよ」
Aが目を見開いた。相手が何を考えているのか分からないのだろう、一歩後ずさる。
「家出を完遂させてもいい。でもその場合、オレは死ぬ」
『馬鹿なことを言うなッッ！！』
「本気だよ。Aのしたいことはなるべくさせてあげたいしね。でもお前と双子じゃない、赤の他人のオレなんてオレじゃない」
二つ目、と奴は言った。
「家に戻ること。大丈夫。オレも一緒に謝ってあげるからさ」
『アルカの力まで盗んで、ただで済むワケがないだろう』
「うん。だからオレの針刺すことになると思う。あ、もちろん痛くないようにするから」
奴は無表情のくせにやけに楽しそうに告げた。
その言葉に呼応するように龍が目玉を動かした。Aは荒い息をしながら奴を睨みつけている。
「思った通りだ。自分が“恩返し”しなきゃいけない時は新しく能力かけれないんでしょ」
『……なぜ気がついた』
「だって双子だもん」
は、とAが息を漏らす。過呼吸の時のように身体を前に折り、膝をつきながらも狂ったように笑い続ける。
それを見たイルミは僅かに口角を上げた。
「じゃ、“一週間後にまたこの広場で会おうね”」
再び龍がこちらを睨んだ。それを睨み返す。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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