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『不安定でも構わない！緊急離陸しろっ！』
Aがクロロに向かって叫ぶ。しかし異変に気がついたその瞬間から彼はエンジンをかけていた。
ドアが開いたまま飛行船が浮く。Aは飛んできた針を弾きながら中に入った。
「ヒソカ、お前の“ガム”でAを」
「伸縮自在の愛(バンジーガム)だってば♢」
見慣れぬ奇っ怪な格好をした男がオーラの塊を飛ばしてきた。それはAの腹部に張り付く。
「おい！」
そのまま引き寄せられそうになるそいつの腕を掴んだ。しかしあの男、見た目通り力が強い。このままでは恐らく、負ける。
そうなったらこいつは。この底抜けの馬鹿は。
『フェイタン、服を斬れ！』
早く！と急かされて空いている方の腕で背中部分と袖を切り裂いた。
服だけが引っ張られて下に落ちていく。ドアを閉めたが、ヒビが入るような嫌な音が下部から聞こえた。
『イルミめ、針を打ち込んだか。クロロ！異常は』
「ないな。気がつかなかったか？」
クロロのオーラが身体中から異常なほどまでに吹き出しているのにやっと気がつく。どうやら“隠”を使っていたらしい。
「この大きさを包むのは初めてだったが割とイけるものだな」
ヘリコプター自体に“周”がされていた。これでは咄嗟に投げた針など少ししか通らないだろう。
それにしても、この大きさを包んでよく平気な顔をしていられるものだと感心した。
「後方にヘリ確認。この早さ……奴ら、停めてあったのを奪ったな」
『天下のゾルディックともあろうものが見苦しい。そんなに必死か』
「必死だろうな。なんせ、大事な大事な双子だ」
『それにしても執拗い！あと３週間もないんだ。そろそろ諦めがつく頃だろう！』
いや、奴は決して諦めなどしないだろう。
Aが地獄の果てまで逃げようとも追ってくる。あれは、そういう類の人間だ。
『いっその事、憎んでくれたらやりやすいものを……』
――――気に入らない。
こいつが時折見せる諦観の眼差し。疲れたようにこの時だけは表情が抜け落ちる。
気に入らないと何回も唱えるが何が気に入らないのかは分からない。ただ、妙に心がささくれ立つのだ。
「これ着ろ。お前の身体貧相よ」
何かを言いかけて、なぜかは知らないが出てきた言葉はそれだった。服を脱げば上半身裸になってしまうが、ブラのみを着けている女よりはマシな格好のはずだ。
『おお、助かるぞ！サイズもぴったりだ』
当然殴った。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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