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▼STORY.9 ページ9

sha「.......ごめん」
ふっとシャオちゃんの温もりが消えていくと同時に、低い声が耳に届く。
sha「ずっと言わないつもりやったんやけど...」
躊躇うように口をゆっくり開き、
sha「俺、Aの事好きや」
再び私に彼の温もりが戻る。
ぎゅっと抱き締められた腕から伝わる彼の強い気持ちに答えられない自分が嫌になった。
何も言えない。何て返せば正解なのか分からなくて、どの言葉がシャオくんを傷付けなくて済むのか見つけられない。
sha「...好き.....好きや」
消えそうな声で囁き続ける彼に胸が痛く鳴り出した時、
sha「俺の事好きになってぇや」
シャオくんの悲痛な声がして私の心はギュッと痛む。
うん。私もね...
シャオくんの事好きになりたいよ。
私も好きって返せたらどんなにお互い幸せなのか。
だけど、シャオくんが私に対して言う好きって気持ちがどういう感情なのか私は知らないから。
同じ気持ちを返してあげられない、ごめんね。
私が家族の事を好きだったあの気持ちと、シャオくんが私に向けてくれている好きとは違うでしょ?
好きの種類がどう違うのかなんて、私に考える余裕も環境も与えられてこなかったから…分からなくてごめんね。

『......私もシャオくんの事好きだよ。
でも、私はシャオくんと同じ好きは返せない』
私は彼に、同じ温もりの同じ感情の好きは芽生えないから。
sha「...ははっ...分かっとるよ」
シャオくんは私から身体を離すと
sha「それでも俺は好きやねん。それだけ覚えとって?」
目元を赤くしながらその場を去って行った。
私もいつか、シャオちゃんと同じその好きを誰かに想う日が来るのかな.....。

暫くその場に留まってから部屋に向かえば、
「シャオちゃんと何してたん?」
後ろから低い声がするから振り向かなくてもどんな顔をしているのか想像がつく。
振り向いた先には案の定以前見た怒りを滲ませた瞳で私を見ていた。
『別に何も…』
私が言い終える前に鬱くんは私の腕を掴むと鬱くんの部屋に連れて行かれて、そのままドアに押し付けられる。
ut「なぁ、A。シャオちゃんとキスしとったよな?」
鬱くんに言葉にされて改めて私はシャオくんとキスしてしまった事を自覚する。
何も言えずに黙っていると、
ut「キスしてたよな?」
と再度聞いてくるから逃げられないのを察して私は頷く。
ut「ほんとにAは無防備過ぎなんよ」
苦しそうな顔をする鬱くんを見て、私はまた間違えたんだと思った。

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作品ジャンル:恋愛
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは!コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました!気が付かなかったので教えて頂けて助かりました( ;∀;)ありがとうございます! (2018年11月11日 19時) (レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。1つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか? (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます( ;∀;)探してみますね!笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:呉城莉李。 | 作成日時:2018年4月1日 11時

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